フランスのメーカーCyma Formaから、風変わりなアナログ・シンセサイザー「ALT」が登場しました。ドローンやサウンドスケープ、複雑な生成メロディーのために設計された“ジェネレイティブ・アナログ・シンセ”で、縦型のユニークな筐体とピン・マトリクスが目を引きます。しかも光センサーと内蔵マイクを備え、周囲の光や音に反応する——まさに目と耳を持った楽器です。価格は€1279。
5基のオシレーターから始まる音作り
ALTのVoicesセクションには、それぞれ独立制御できる5基のオシレーターがあります。波形と周波数レンジが異なり、フリーにも14種のスケール(平均律とジャストイントネーション)にも設定可能。個別にパンとデチューンもできます。次に音はAlterセクションへ進み、名機KORG MS-20に着想したデュアル・マルチモード・フィルター(LP/HP/BP、ステレオ直列)へ。自己発振させれば追加のボイスとしても使え、「Ripples」という演奏用ボタンも用意されています。
ディレイ、変調、そして“目と耳”
- 無限フィードバックも作れるディレイに、外部信号を通せるオーディオ入力を装備
- Movementセクションのピン・マトリクスで、2基のLFO・ランダムS&H・エンベロープフォロワーを物理的にパッチング
- 内蔵マイクで音に反応、光センサーでマスターピッチ/音量を操るテルミン的な演奏も可能
変調量に応じてボイスの発音順を変える“風変わりなアルペジエーター”など、遊び心のある仕掛けも満載です。
DAWにもモジュラーにも組み込める
この種の実験的ドローンシンセは単体完結型が多いなか、ALTはCVとMIDIの両対応。Eurorackに組み込んだり、MIDIコントローラーで普通に弾いたり、CVシーケンサーで走らせたりできます。ノート/ベロシティ/アフタータッチ/ピッチベンドを受信し、ボイス・スプリットやリアルタイムのスケール編集など4つのMIDIモードを備えるなど、演奏楽器としての作り込みも本格的です。
まとめ
ノイジーで実験的にも、驚くほどメロディックにも振れる一台。生成的な性質を活かして部屋に鳴らしっぱなしにするだけでも心地よい、その名の通り“オルタナティブ”な楽器です。個性的なアナログ・サウンドと物理的な操作系に惹かれる人は要チェックです。

