Moises(モイセス)は、曲をアップロードするとボーカルや各楽器を別トラックに分けてくれるAIサービスです。Web・スマホアプリ・デスクトップアプリで動き、Proプランに入るとDAWに挿すプラグインも使えます。

このサービスは公式サイトを開いても料金が出てきません

料金(2026年8月時点)

日本語表示の画面で確認した金額です。

プラン 年払い(月あたり) 月払い 年額に直すと
Free ¥0 ¥0 ¥0
Premium ¥408 ¥583 ¥4,896 / 月払いなら¥6,996
Pro ¥1,838 ¥2,625 ¥22,056 / 月払いなら¥31,500

年払いにすると Premium で年¥2,100、Pro で年¥9,444 安くなります(割引率はどちらも30%)。年額の欄は月あたりの金額を12倍した計算値です。

「30%オフ」は期間限定セールではありません

価格表の上に「年額プランなら最大30%オフに!」と出ますが、これは年払いを選んだときの常設の割引です。公式サイトにセール用のページはなく、期限の表示もありません。急いで契約する理由にはなりません。

料金が検索しても出てこない理由

利用規約(2026年8月更新の日本語版)に「サブスクリプションサービス階層の価格および機能は、本サービスにログインした後にアクセスできる当社の価格ページで確認できます」と記載されています。

規約には「すべての料金は米ドル建て」という記述もあります。画面は円表示でしたが、実際の請求がどの通貨になるかは決済時に確認してください。また、表示価格はアカウントや地域によって変わることもあります。

無料でどこまで使えるか

項目 Free の制限
アップロード回数 1人あたり月5回まで
1ファイルの長さ 5分まで
分離できるトラック 2トラック(ボーカル/インスト)、4トラック(ボーカル/ドラム/ベース/その他)
スマートメトロノーム 最初の1分だけ
コード検出 最初の1分だけ
歌詞の転写 最初の1分だけ

コード検出と歌詞が冒頭1分で切れるため、耳コピが目的だと、Freeはかなり厳しいです。

Premiumで外れる制限

Premiumにすると、1ファイル20分まで扱えるようになります。メトロノーム・コード検出・歌詞の転写もすべて無制限です。リファレンス音源を使ったマスタリングも20分まで使えます。

分離できる楽器はボーカル(リード/バック)、ギター(アコースティック/エレキ、リード/リズム)、ベース、ドラム、アコースティックピアノ、キー、管楽器、弦楽器です。1回のアップロードにつき最大5つまで選び、選ばなかった音は「その他」トラックにまとまります。

ProでできることはDTM寄り

機能 内容
Stemsプラグイン DAWに挿して使える。Pro限定
Hi-Fi分離 Proでアップロードしたファイルはすべてこの品質になる
ドラムのパーツ分離 キック、スネア、タム、ハイハット、シンバルを個別に取り出せる
48kHz / 24bit のWAV書き出し 自動でこの形式になる
ダイアログ・効果音・サウンドトラック 映像や配信の音声処理向け

サンプリング目的ならドラムのパーツ分離が効きます。この機能が使えるのはHi-Fi版だけです。

ほかに、ボーカルの声質をAIモデルの声に変換するVoice Studioと、変換した声の書き出しもProの機能です。処理の順番待ちでも優先されます。

DAWで使うまでの手順

プラグインはデスクトップアプリからインストールします。

  1. デスクトップアプリをインストールして開く
  2. 「プラグイン」タブを開き、Stemsの説明の下にあるインストールボタンを押す
  3. AU / VST3 / AAX の3形式がインストールされる(途中でパスワードを求められることがあります)
  4. DAWでオーディオトラックを作り、プラグイン一覧から「Stems」を選ぶ

Moisesにアップロード済みの曲を同期し、選んだステムをプロジェクトへ直接ドラッグできます。ステムを読み込む前に、DAW側のBPMを合わせてください。プラグイン経由なら8ステムまで扱えます。

AAXが用意されているのでPro Toolsでも使えます。うまく読み込まれないときは、macOSなら /Users/ユーザー名/Library/Audio/Plug-Ins/VST3/Stems.vst3 のあたりにファイルが置かれているか確認してください。

Fender Studio Proユーザーは、Moisesに課金せずに使える

Fender Studio Pro 8.1 から、Moisesの機能がDAWの中に組み込まれました。PreSonus Studio Oneをベースにしたフェンダーのソフトです。ワークスペースにMoises専用のエリアが追加され、ファイルをドラッグ&ドロップでやり取りできます。Studio Pro自体は買い切りの有料DAWで、フェンダー公式(日本)には¥32,780と表示されています(2026年8月時点)。

公式の説明によると、Moisesの有料プランに入らなくても次の範囲は無料で使えます

  • オーディオ分離 月10回(ボーカル/ベース/ドラム/その他の4ステム)
  • ステム生成 月120単位(60分ぶん)
  • ボイス変換 月5回

単体のFreeプランは月5回なので、分離できる回数は倍になります。ただしMoisesのアカウントとインターネット接続は必要です。

この無料枠を超える機能や回数を使うには、Moisesの有料プランに加入することになります。Hi-Fi分離やドラムのパーツ分離のような上位の機能も、加入しているプラン次第です。Fender Studio Proに入れば全部使える、という話ではありません。

月10回という枠は、実際に作業を始めると余裕がありません。狙ったとおりの分離にならないことがあり、条件を変えてやり直すたびに回数が減ります。数曲ぶんの試行錯誤で使い切る枠だと考えておいてください。Premiumなら20分までの曲を無制限に処理できるので、失敗を気にせず何度でもかけ直せます。回数を数えながら使うのが煩わしくなったら、そこが乗り換えどきです。

どれを選ぶか

  • 試すだけならFree(月5回・5分まで)
  • Fender Studio Proを持っているなら、まず課金せずに試す(月10回の分離が付いてくる)
  • やり直しが増えてきたらPremium(20分までの曲を無制限に処理。コード検出と歌詞も無制限。年払いで月¥408)
  • ほかのDAWで作るならPro(プラグイン、ドラムのパーツ分離、48kHz/24bit書き出し)

PremiumとProの差額は年払いで月¥1,430です。プラグインを使わない場合、Proを選ぶ理由はほとんどありません。

ProからPremiumへは下げられません

公式のヘルプセンターに、ProからPremiumへの直接のダウングレードはできないと書かれています。下げるにはProを解約し、期限が切れてFreeに戻ってからPremiumを買い直すことになります(アップロードしたファイルは消えません)。年払いで契約していれば、その1年が終わるまで待つということです。

上げる方向は取れるので、迷ったらPremiumから始めるほうが安全です。ただしアップグレードしたときに残りの期間ぶんがどう精算されるかは公式に記載がありません。支払いを確定する前に、チェックアウト画面に出る金額を確認してください。返金は原則として受け付けていません。

1年ぶん先に払うのが不安なら、月払いで始めて、続きそうなら年払いに切り替える手もあります。月額から年額への変更手順は公式に用意されています(国際カードならWebから切り替えられます)。年払いに切り替えた時点で30%引きになります。

価格は2026年8月にログイン後の画面(日本語表示)で確認したものです。機能の仕様は同日時点のMoises公式ヘルプセンターおよびFender Studio Pro連携ページの記載によります。価格・仕様とも予告なく変わることがあります。