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Komplete 26 とは — Native Instruments の最新フラッグシップバンドル
2026年5月5日、Native Instruments が Komplete 26 をリリースしました。Komplete 15(2024年9月)の後継にあたるバンドルです。番号が飛んで見えますが、公式FAQも「Komplete 26 は引き続き Komplete 15 の次期バージョン」と書いています。2026年版だから26。アップグレード経路にも互換性にも変更はありません。
今回のトピックは、長らくディスコンだった Absynth が Absynth 6 として復活し、Standard 以上に収録されたことです。加えてピアノの Claire、映像向けの Scene Series、ドラムの Marco Polo Drums などが新しく入りました。
この記事で分かること
- Standard / Ultimate / Collector’s Edition の 収録数・サウンド数・容量の実数
- Komplete 15 以前からのアップグレード価格(全経路)
- Absynth 6 が単体だと ¥30,800。バンドルで買う意味
- Select は Beats / Band / Electronic の3エディションから選ぶ
- iZotope と Brainworx は、もう NI のグループ会社ではない
2026年、Komplete を売っている会社が変わった
この1年で Native Instruments の資本構成が全部入れ替わりました。Komplete 26 のリリースは、ちょうどその渦中に出ています。
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2026年1月27日 | Native Instruments がベルリンの区裁判所に倒産手続の開始を申し立て、暫定管財人が選任される |
| 2026年5月5日 | Komplete 26 リリース |
| 2026年5月8日 | inMusic が Native Instruments を買収することで最終合意(Superbooth で締結) |
| 2026年6月30日 | 買収が完了 |
| 2026年7月2日 | iZotope は Boris FX へ売却。NI グループから離脱 |
| 2026年7月15日 | Plugin Alliance と Brainworx は創業者 Dirk Ulrich が買い戻し(RCKFRC グループへ) |
inMusic は Akai Professional、Moog、Denon DJ、M-Audio などを抱える会社です。買収の発表時、inMusic は「すべてのブランドと地域で通常どおり事業を継続する。製品、サービス、プラットフォーム、カスタマーサポートは引き続き利用できる」と表明しました。当時の NI CEO も自社ブログで同じ趣旨を書いています。
一方で、7月に CEO と最高製品責任者が交代し、8月には英国オフィスの閉鎖と約100名規模の人員削減が伝えられました。カスタマーサポート部門が全員解雇されたとも報じられています。これらは公式発表ではなく業界メディアの報道です。
3つのバンドルを比較 — どれを選ぶか
Komplete 26 の本体は Standard / Ultimate / Collector’s Edition の3つです。その下に入門用の Komplete Select、無料の Komplete Start があります。
| 項目 | Standard | Ultimate | Collector’s Edition |
|---|---|---|---|
| 新規価格 | ¥84,800 | ¥192,900 | ¥300,900 |
| インストゥルメント&エフェクト | 180以上 | 280以上 | 340以上 |
| Expansions | 70以上 | 100以上 | 150以上 |
| サウンド数 | 63,000以上 | 116,000以上 | 180,000以上 |
| ダウンロード容量(圧縮時) | 315 GB | 950 GB | 1.6 TB |
| オーケストラ系 | なし | 11点(Symphony Essentials など) | 17点(Symphony Series フル) |
| シネマ・サウンドデザイン | 3点 | 24点 | 31点 |
| E-Voucher | 全グレードに ¥3,900 分を同梱 | ||
Standard と Ultimate の差は、オーケストラとサウンドデザインです。Standard は公式区分でいう Classical instruments が0点で、弦は Session Strings 2 と Session Horns の2点だけです。Ashlight、Mysteria、Straylight、Pharlight、Scene Series といった映像向けの音源も Ultimate から。ただし Kontakt 8・Massive X・Absynth 6・Guitar Rig 7 Pro の4本柱と Play Series 28点は Standard にも全部入っています。
CE だけのものは Symphony Series のフル版、Stradivari Cello や Guarneri Violin といった単体弦楽器、Action Strings 2、Claire: Avant、bx_console AMEK 200 など。オーケストラを本気で書かないなら Ultimate で止まります。
Komplete Select は3エディションから選ぶ
入門グレードの Komplete Select は単一の製品ではなく、Beats / Band / Electronic の3エディション、各 ¥15,300。中身がそれぞれ違います。
Beats
Battery 4、Massive X Player、Empire Breaks、Ozone 12 Elements など。Massive X Expansions が6本付きます。
Band
Studio Drummer、Scarbee Rickenbacker Bass、Strummed Acoustic、The Gentleman、Guitar Rig 7 LE、Nectar 4 Elements。シンセは入りません。
Electronic
Massive X Player、TRK-01、Utopia、Replika XT、Phasis、Schema: Light など。Massive X Expansions が6本。
Beats と Electronic に入るのは Massive X ではなく Massive X Player(プリセット再生に機能を絞った版)です。音を作るためではなく、まず曲を完成させるためのセットです。
アップグレード価格 — 手持ちから乗り換える
すでに Komplete を持っているなら、新規価格を払う必要はありません。公式ストアで選べる経路と価格は次のとおりです。
| 手持ち | → Standard | → Ultimate | → Collector’s Edition |
|---|---|---|---|
| 同グレードの 15 | ¥23,100 | ¥46,200 | ¥61,600 |
| 同グレードの 14・15 | ¥30,800 | ¥61,600 | ¥77,100 |
| 同グレードの 13 以前 | ¥46,200 | ¥92,500 | ¥108,000 |
| Standard 15〜26 | — | ¥108,000 | ¥216,000 |
| Standard 14 以前 | — | ¥123,400 | ¥246,900 |
| Ultimate 15〜26 | — | — | ¥108,000 |
| Komplete Select | ¥69,400 | ¥177,400 | — |
| Kontakt / Massive X / Absynth / Battery / Guitar Rig 単体 | ¥53,900 | ¥162,000 | — |
Komplete 15 を持っている人の Standard 更新が ¥23,100。ここが一番安い入口です。Kontakt や Massive X を単体で持っているだけでもクロスグレード ¥53,900 が使えるので、単体プラグインを1本でも持っているなら必ず確認してください。
Komplete 26 で新しく入ったもの
最大の目玉は Absynth 6 です。一度バンドルから外れて開発も止まっていたものが、刷新されて戻ってきました。
Pros
- 他で代えの利かないテクスチャー
- Standard 以上に収録済み
- プリセットの質が高く、そのまま使える
Cons
- Select には入らない
- 音作りを覚えるには時間がかかる
新規収録ライブラリと、入るグレード
名前を聞いたことがあっても、自分の買うグレードに入っているとは限りません。
| ライブラリ | カテゴリ | 収録グレード | 中身 |
|---|---|---|---|
| Absynth 6 | シンセ | Standard 以上 | セミモジュラー。変化し続けるテクスチャー |
| Marco Polo Drums | ドラム | Standard 以上 | ブーンバップ系。ざらついた質感のキット |
| Electric Keys – Jade / Teak | キーボード | Standard 以上 | ヴィンテージのエレピ2機種 |
| Electric Keys – Ember / Moonshell | キーボード | Ultimate 以上 | 同シリーズの追加2機種 |
| Claire | ピアノ | Ultimate 以上 | 世界最大級のコンサートグランドを収録 |
| Claire: Avant | ピアノ | Collector’s Edition のみ | Claire の実験的な派生版 |
| LCO Producer Strings | ストリングス | Ultimate 以上 | ロンドン・コンテンポラリー・オーケストラ収録 |
| Scene Series | シネマ | Ultimate 以上 | Bloodplant / Lotus / Nightshade / Saffron / Willow の5点 |
| Moments: Vocal Clouds | ボーカル | Ultimate 以上 | 声のテクスチャーを重ねたサウンドスケープ |
| Cremona Quartet Ensemble | ストリングス | Ultimate 以上 | ストラディヴァリなど名器を収録したアンサンブル |
| Erosia | シネマ | Ultimate 以上 | サウンドデザイン用エンジン |
Kontakt 8 で増えた Tools と Leap
Tools は Kontakt の音源に後付けできる MIDI ユーティリティ群で、Humanizer(打ち込みに揺れを足す)や Scale Lock(外れた音をスケールに寄せる)など9種類。新旧どの Kontakt 音源にも使えます。Leap はループ素材を鍵盤で演奏・切り刻むための再生エンジンで、専用の Leap Expansions が Standard に20本付いてきます。実験的な音源 Conflux も Kontakt 8 フル版に同梱。Kontakt 8 は単体だと ¥46,200 です。
収録シンセ — 制作スタイル別
Massive X
ウェーブテーブルシンセ。EDM・テクノ・ベースミュージックの音作りに。単体だと ¥30,800。
Absynth 6
変化し続けるテクスチャー。アンビエント・映像・実験音楽に。
FM8
FM合成の定番。DX7 系のベルやエレピを現代的に鳴らせる。
Reaktor 6
モジュラー環境。ユーザーライブラリが膨大で、掘れば掘るほど出てくる。
Super 8 / Monark / TRK-01
ヴィンテージ系ポリ、ミニマルなモノシンセ、キックとベースに特化した音源。地味に出番が多い3本。
Razor / Skanner XT / Flesh
加算合成、スキャニング、オーディオ入力から音を組み立てる実験系。
なお、A.G. Cook と共同開発した SuperStarSaw(Super*Saw)は Komplete 26 に含まれません。2026年7月の単体リリースです(単体 ¥15,300)。
買う前に確認すること
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| OS | macOS 14 / 15 / 26(最新アップデート)、Windows 10 または 11 |
| CPU | Intel Core i5 相当以上、または Apple Silicon。Massive X は AVX 対応 CPU が必要 |
| 形式 | 64bit の VST / AU / AAX ホスト |
| インストール時の空き容量 | 外付けドライブに入れる場合でも、システムドライブに一時的に最大80GB の空きが要る |
| ライセンス | バンドル全体で1ライセンス。3台までインストール可、同時使用は1台。個別製品の分割転売は不可 |
Ultimate 以上は圧縮状態でも数百GB〜1.6TB あるので、本体SSDに全部入れるのは無理があります。外付けを用意してから買ってください。展開先が外付けでも、システムドライブに一時領域が要ります。1本ずつインストールすれば必要量は減ります。
こんな人におすすめ
これから揃える人
Kontakt 8・Massive X・Absynth 6・Guitar Rig 7 Pro が全部入る Standard(¥84,800)。Kontakt 8 単体で ¥46,200、Absynth 6 が ¥30,800、Massive X が ¥30,800 なので、この3本だけで新規価格を超えます。
映像・ゲームの音楽
Scene Series、LCO Producer Strings、Cremona Quartet、Erosia、Symphony Essentials が入る Ultimate(¥192,900)から。Standard にはオーケストラ音源が1つも入りません。
Komplete 15 ユーザー
新しいシンセエンジンは Absynth 6 だけです。Absynth 6 単体 ¥30,800 に対して Standard 更新が ¥23,100。Absynth が要るなら更新のほうが安く、要らないなら急ぐ理由はありません。
まず1曲仕上げたい人
Komplete Select(¥15,300)を作るジャンルで選ぶ。あとで上位に移るときは差額だけです。まったくお金をかけないなら無料の Komplete Start もあります。
まとめ
これから環境を揃える人にとって、Standard は内容量のわりに価格が低く、今も有力な選択肢です。Komplete 15 を持っている人は、Absynth 6 が欲しいかどうかで決めればいい。
iZotope と Brainworx が NI から離れたことが、Komplete にどう影響するかはまだ分かりません。今のバンドルには入っていますし、買ったライセンスが消えるわけでもない。ただ「Komplete を買えばミックスからマスタリングまで NI 1社で完結する」という説明は、もう正確ではなくなりました。
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Komplete 26 を公式ストアで確認する
アップグレード価格は手持ちのライセンスによって変わります。カートに進む前に、自分に適用される経路を公式ストアで確認してください。
※ 本記事にはアフィリエイトリンクが含まれます。価格は Native Instruments 公式ストアの日本価格(税込)で、2026年8月に取得した実測値です。為替・販売店・時期により変動します。買収と組織再編に関する記述のうち、人員削減および拠点閉鎖については業界メディアの報道にもとづくもので、企業の公式発表ではありません。最新情報は各公式サイトでご確認ください。

