マドリードのHeritage Audioが、オールチューブのチャンネルストリップ「TUBESTRIP」を発表しました。プリアンプ、EQ、そしてコンプレッサー2基という4つのプロセッサーを一列に並べ、「スタジオに必要なチャンネルストリップはこれだけ」と言い切る構成です。価格は$3,499。
MORPHノブで真空管の性格を連続可変
信号が最初に通るプリアンプは最大60dBという大きなヘッドルームを持ち、MORPHノブひとつで音の性格を変えられます。左いっぱいに回すとPentodeモードで、ざらついた荒々しいサウンド。右いっぱいはTriodeモードで、温かみのある方向へ。その中間がUltraLinearで、両者のバランスを取ります。ノブ一本で真空管の動作方式を行き来できるのが面白いところです。
Type 69 EQと2種類のコンプ
- Type 69 EQは4バンド。低域はブーストとカットが独立、中域はブースト/カットを切り替え、高域は1ノブ。低域と中域は周波数指定も可能
- 1基目はVari-Muコンプ。アタックとリカバリーを操り、しっかり潰したいときに使う
- ボタン操作でコンプ後にEQを通すルーティングに変更でき、音量を整えてから色付けできる
- 2基目はオプティカル・コンプ。スレッショルドで最終的な仕上げを担当し、ディエッサーとしても使える(専用の周波数ノブ付き)
ハードウェアを一台に集約するという発想
メーカー自身が「これまで最高の結果を出すには、機材で埋め尽くした部屋と、どのソースにどれを使うかの知識と、それらを組み合わせる何年もの学習が必要だった」と語っています。ボーカル、ドラム、ギター、ベース、キーボード、ルームマイク、アコースティック楽器——前段に何を置いても対応できる、というのがTUBESTRIPの主張です。
まとめ
$3,499という価格は個人スタジオには軽くありませんが、アウトボードを一台ずつ買い足していく道のりと比べれば筋の通った選択肢でもあります。真空管の質感を録りの段階で作り込みたい人にとっては、検討する価値のある一台です。

