LOCUS DELAY は、エコーがヘッドホン空間の中を動くステレオ空間ディレイです。ヘッドホンでのご使用を推奨します。
1. 概要
LOCUS DELAY は、XY パッドや自動軌跡移動(LOCUS MOVE)によって、エコーの位置や動きを直感的に操ることができるステレオ空間ディレイです。ヘッドホン空間の中で音が生き生きと動き回る立体的な音響体験を提供します。
- ヘッドホン空間ディレイ: エコーが空間内を動き回る立体的な定位効果を生み出します(ヘッドホン推奨)。
- 直感的な XY パッド: 左右の定位と前後の奥行きをパッド上で直感的に指定できます。
- LOCUS MOVE: テンポに同期してエコーを周回させる円軌道(CIRCLE)移動機能を備えています。
- 3 つのディレイタイプ: クリアな DUAL、温かみのある TAPE、リズミカルな MULTI を選択可能です。
- テンポ同期と柔軟な時間設定: ホストテンポへの同期(SYNC)や、左右のリンク(LINK)および独立設定に対応しています。
- 20 種類のファクトリープリセット: 即戦力となる多彩な空間プリセットを内蔵しています(CIRCLE を中心とした LOCUS MOVE などの動きを活用)。
無料版と Pro 版の違い
LOCUS DELAY には、無料版と上位版の「LOCUS DELAY Pro」があります。主な違いは以下の通りです。
| 機能 | 無料版 | Pro |
| XY パッド・TIME・SYNC・DELAY TYPE(DUAL/TAPE/MULTI)・OUTPUT | ○ | ○ |
| LOCUS MOVE | OFF と CIRCLE | + RAND / SQUARE / EIGHT / DRAW(手描き軌跡) |
| LOCUS MODULATION(LFO・サイドチェーン) | − | ○ |
| TONE(LOW CUT / HIGH CUT) | − | ○ |
| DUCK | − | ○ |
| DIFFUSE / FREEZE | − | ○ |
| STATUS 表示(DUCK メーター / FREEZE ランプ) | −(表示が動かない) | ○ |
| ファクトリープリセット | 20 | 100 |
| ユーザープリセットの保存 | −(書き出したプリセットの読み込みはできる) | ○ |
※無料版の画面上にも Pro 版の部品が鍵付き(PRO 印)で表示されます。無料版で Pro 版の設定を含むプリセットやセッションを開いた場合、RAND / SQUARE / EIGHT / DRAW は CIRCLE で動作し、変調は無しで鳴ります(画面上もそのように表示されます)。また、画面右下の STATUS 表示も無料版では動作しません(Pro 版のみ)。
2. 動作環境
| 項目 | 内容 |
| 対応 OS | Windows 10 / 11 (64bit)、macOS 11 以降(Apple Silicon / Intel) |
| プラグイン形式 | Windows: VST3 / Mac: VST3・AU |
| 対応ホスト | VST3 または AU 対応の DAW |
| 入出力 | ステレオ(外部サイドチェーン入力あり) |
| 画面サイズ | 1400 × 780 px(固定) |
| サンプルレート | ホスト(DAW)に依存 |
| 推奨環境 | ヘッドホン推奨(立体的な空間移動効果を体験いただくため) |
3. インストール
インストール(Windows)
- ダウンロードした ZIP ファイルを解凍します。
LOCUS DELAY.vst3 フォルダを次の場所へコピーします:
C:\Program Files\Common Files\VST3\
- DAW を起動し、プラグインの再スキャンを実行します(DAW を起動したままコピーすると反映されないことがあります)。
Windows での警告について:
コード署名をしていないため、初回起動時やダウンロード時に Windows の SmartScreen による警告が表示されることがあります。「詳細情報」をクリックしてから「実行」を選択して進めてください。
インストール(Mac)
- ダウンロードした ZIP ファイルを解凍します。
LOCUS DELAY.vst3 を ~/Library/Audio/Plug-Ins/VST3/ へ、LOCUS DELAY.component を ~/Library/Audio/Plug-Ins/Components/ へコピーします(~ はホームフォルダです。Finder の「移動」メニューから「フォルダへ移動」を選び、パスを貼り付けると開けます。フォルダが存在しない場合は新規作成してください)。
- ターミナル(アプリケーション → ユーティリティ → ターミナル)を開き、次の 3 行を 1 行ずつ貼り付けて Return キーを押します。
cd ~/Library/Audio/Plug-Ins
xattr -dr com.apple.quarantine "VST3/LOCUS DELAY.vst3"
xattr -dr com.apple.quarantine "Components/LOCUS DELAY.component"
- DAW を起動し、プラグインの再スキャンを実行します(Logic Pro などで AU が一覧に出てこないときは Mac を再起動してください)。
Mac でのセキュリティ警告について:
本プラグインは公証を受けていないため、ターミナルでの上記コマンドを実行しないと macOS が「壊れているため開けません」「開発元を検証できません」と表示し、DAW がプラグインを読み込みません。このコマンドはダウンロードしたファイルに macOS が付与する隔離属性(印)を外すものです。アップデートでプラグインを入れ直した際にも再実行が必要です。何も表示されずに次の行に進めば成功です。
アンインストール
【Windows】コピーした LOCUS DELAY.vst3 フォルダを削除してください。ユーザープリセットも削除する場合は %APPDATA%\Tonecraft\LOCUS DELAY\Presets\ も削除します。
【Mac】コピーした LOCUS DELAY.vst3 および LOCUS DELAY.component を削除してください。ユーザープリセットも削除する場合は ~/Library/Tonecraft/LOCUS DELAY/Presets/ も削除します。
無料版と Pro 版の共存について:
無料版と Pro 版は別のプラグインとして並べてインストールして使用できます。
4. 画面の見かた
ヘッダー帯(上段)
- ロゴとバージョン: ウィンドウ左上にロゴと製品バージョン(TONECRAFT TOKYO の右に
v1.2.0)を表示します。
- プリセットバー: 上段右側に配置されています。「<」「>」で前後のプリセットへ移動、中央の名前欄をクリックして一覧から選択できます(※無料版では SAVE および DEL によるプリセットの新規保存・削除は Pro 版の機能です)。
InfoBar(上部帯)
- プリセットバーの直下に配置されています。各部品にマウスカーソルを乗せると、その機能の説明が日本語で表示されます。
XY パッド(左側)
- エコーの定位と奥行きを指定するメイン操作画面です。左右が定位(L / R)、上下が奥行きを表します。ダブルクリックするとエコー位置が中央へ戻ります。
LOCUS MOVE パネル
- エコーの自動軌跡移動を設定します。無料版では
OFF と CIRCLE(円軌道)が使用できます。移動の速さ(1/8x〜2x)、軌跡の大きさ(RADIUS)、軌跡の始点に戻す RESET、軌跡消去の CLEAR を備えています。
TIME パネル
- ディレイタイムを設定します。ホストテンポ同期(SYNC)、左右同一設定(LINK)、SYNC OFF 時のミリ秒指定(TIME L / TIME R)、SYNC ON 時の音符ボタン(1/2〜1/16T)、実際のディレイ時間表示を備えています。
DELAY TYPE パネル
- ディレイの音色タイプを DUAL / TAPE / MULTI から選択します。
OUTPUT パネル
- 最終出力とミックスを調整します。くり返しの量(FEEDBACK)、エコーの量(MIX)、出力ゲイン(GAIN)、BYPASS スイッチ、レベルメーターを備えています。
STATUS 表示(右下)
- 画面右下の STATUS 表示(DUCK が今エコーをどれだけ下げているかの dB 数値とメーター、FREEZE 中のランプ)は Pro 版の機能であり、無料版では表示は動きません(Pro 版では、エコーが聞こえないときにここで DUCK が下げていないかを確かめることができます)。
※無料版では、LOCUS MODULATION、TONE(LOW CUT / HIGH CUT フィルター)、DUCK、SPACE の各セクションに「PRO」の鍵印が表示され、操作は無効化されています。画面右下の STATUS 表示も動きません。これらの拡張機能は上位版 LOCUS DELAY Pro でご利用いただけます。
5. 各つまみ・ボタン
- XY パッド
エコーの位置を直接ドラッグして操作します。横軸が左右のステレオ定位、縦軸が前後の奥行きをコントロールします。ダブルクリックすると中央位置にリセットされます。
- LOCUS MOVE(モード切替)
エコーを自動的に周回移動させるモードを選択します。無料版では OFF(静止)と CIRCLE(円を描いて周回)が利用可能です。
- 速さボタン(1/8x 〜 2x)
LOCUS MOVE の周回速度を切り替えます。1x はホストテンポの 1 小節で軌跡を一周する速度です。
- RADIUS
LOCUS MOVE による軌跡の大きさを調整します。
- RESET
エコーを軌跡の始点(開始位置)へ瞬時に戻します。
- CLEAR
描かれた軌跡情報を消去します。
- SYNC (OFF / ON, デフォルト:
ON)
ホストのテンポ(BPM)同期のオン/オフを切り替えます。ON 時は音符ボタンでディレイ時間を指定します。
- LINK (OFF / ON, デフォルト:
ON)
SYNC ON 時に、左右のディレイタイムを同一の音符にするかを切り替えます。
- TIME L / TIME R
SYNC OFF 時に、左右それぞれのディレイタイムをミリ秒(ms)単位で直接調整します。
- 音符ボタン(1/2 〜 1/16T)
SYNC ON 時に、1/2 から 1/16T(3連符)までの音符を選択します。
- ディレイ時間表示
設定されている実際のディレイ時間をミリ秒とともに表示します(例: 1/4 500ms)。なお、テンポによって 2000 ms を超える音符は 2000 ms で鳴り、表示には MAX と表示されます。
- DELAY TYPE
音色のキャラクターを 3 種類から選択します。
DUAL: 澄んだクリアなディレイサウンドです。
TAPE: アナログテープ特有の揺れと丸みを持った温かいサウンドです。
MULTI: 4 つの刻みで音が返るリズミカルなマルチタップディレイです。
- FEEDBACK (0 〜 90 %, デフォルト:
40 %)
エコーのくり返しの量を調整します。発散を防ぐため最大 90% が上限となっています。
- MIX (0 〜 100 %, デフォルト:
50 %)
原音に対するエコー音の割合を調整します。原音(Dry)は常に等倍で鳴り、エコー音(Wet)の音量が変化します。
- GAIN (-12 〜 +12 dB, デフォルト:
0 dB)
最終出力音量を調整します。
- BYPASS (OFF / ON, デフォルト:
OFF)
プラグイン全体の処理をバイパス(素通し)します。
6. プリセット
LOCUS DELAY には、20 種類のファクトリープリセットが内蔵されています。20 種類のうち 12 種類は LOCUS MOVE の CIRCLE でエコーが回り、手軽に立体的な空間の動きを体験できます。残りは、エコーが止まっていたほうが良く聞こえる音向けです。
ヘッダー右側のプリセットバーの中央をクリックすると一覧が表示され、クリックしたプリセットが即座に読み込まれます。「<」「>」ボタンで前後のプリセットに順番に切り替えることも可能です。
プリセットバーのメニューから「読み込み(Import)」を選ぶと、書き出されたプリセットファイル(拡張子 .ldelay)を読み込むことができます。Pro 版の設定を含むプリセットは無料版の範囲で鳴り、プリセット名の横に PRO 印が表示されます。
ユーザープリセットの保存について:
無料版ではプリセットの新規保存(SAVE)、削除(DEL)、書き出し(Export)は Pro 版の機能となっており無効化されています(Pro 版では TONE・DUCK・DIFFUSE・FREEZE・DRAW の軌跡などの Pro の設定も保存されます)。プラグイン設定の保持やパラメータのオートメーションは、DAW のセッション(プロジェクトファイル)経由で行ってください。なお、v1.1.0 で保存したユーザープリセットは読み込めません。
7. v1.1.0 からの変更
2026-11-04 V1.2.0 Pro 版を追加、画面を一新
- Pro 版の追加(上位版として多彩な軌跡パターン、手描き軌跡 DRAW、LOCUS MODULATION、TONE、DUCK、SPACE、STATUS 表示、100 種のプリセット、ユーザープリセットへの Pro 設定保存を搭載)
- 画面を一新(金属パネル風、1400 x 780)
- ファクトリープリセットに LOCUS MOVE などの動きを入れた(無料版の 20 本は CIRCLE を中心に活用)
- 新しく挿したときの既定の時間が 1/4 になった(v1.1.0 は 1/16T で鳴っていた)。SYNC を切り替えても時間が別の値に変わらなくなった
- v1.1.0 で保存したセッションはそのまま開ける(SYNC の音符も引き継ぐ)
- 保存形式が変更されたため、v1.1.0 で保存したユーザープリセットは読み込めない
- ホストのテンポが 0 のときに音が止まる問題を修正
- 無料版では LOCUS MOVE の RAND / SQUARE / EIGHT と LOCUS MODULATION、ファクトリープリセットの 80 本が Pro の機能になった。v1.1.0 はそのまま使い続けられる
8. 注意事項
- 本製品はサポートなし・現状渡しの無料配布(フリーウェア)です。
- ソースコードは非公開です。
- 本製品の著作権は Tonecraft Tokyo に帰属します。
- 本製品の改変・リバースエンジニアリング・再配布・転売を禁止します(配布は公式サイトと BOOTH からお願いします)。
- 商用・非商用を問わず無料でご利用いただけます。
- ご感想やご意見は info@tonecraft.blue-x.tokyo へお寄せください(個別のサポートはお約束できません)。
9. 免責事項
- 本製品は現状有姿(AS IS)で提供されます。明示・黙示を問わず、商品性、特定目的への適合性、第三者の権利を侵害しないことを含め、いかなる保証も行いません。
- 本製品の使用または使用不能によって生じたいかなる損害(プロジェクトファイルやオーディオデータの消失・破損、機材の不具合、作業時間の損失、逸失利益などを含み、これらに限りません)についても、Tonecraft Tokyo は一切の責任を負いません。
- すべての DAW・OS・ハードウェアの組み合わせでの動作は保証しません。
- 本製品は予告なく仕様変更・提供終了する場合があります。
- ご利用は自己責任でお願いします。重要な作業の前にはプロジェクトのバックアップを取ってください。
10. ライセンス表記
- VST is a trademark of Steinberg Media Technologies GmbH.
- 本製品は JUCE を使用しています。
- Noto Sans JP / JetBrains Mono — SIL Open Font License 1.1