ANVIL は、8 ステップのシーケンサーとパッチング(MOD MATRIX)を備えたセミモジュラー・パーカッシブシンセです。2 基のオシレーター、自励発振するラダーフィルター、2 基のアタック/ディケイ・エンベロープを、4 スロットのモジュレーション・マトリクスで自由に結線できます。キック・スネア・パーカッションはもちろん、金属的な効果音、うねるドローン、ステップごとに定位が動くリズムパターンまで作れます。
ファクトリープリセットは 20 音色です。F01〜F12 は各機能がどう効くかを 1 つずつ見せるためのもの、F13〜F20 はそのまま曲に置ける実用パターンです。まず後半を鳴らして雰囲気を掴み、気になった音を前半で分解する、という順で触ると早いはずです。
ANVIL を立ち上げます。F02 Deep Kick から。PITCH レーンのノブを上下にドラッグすると、ステップごとの音程が変わります。中央が 0 です。CUTOFF と RESONANCE、VCF EG の DECAY を回して質感を追い込みます。SOURCE と DEST を選び、右のスライダーで量を決めます。マイナス方向にも振れます。停止中に音を出したいときは鍵盤を弾いてください。
シーケンサーはホストが再生しているあいだだけ自動で回ります。DAW を止めた状態で音を確認したいときは MIDI ノートを弾いてください。1 音ごとに現在のステップが発音し、ステップが 1 つ進みます。
Tri(三角)/Saw(のこぎり)/Sqr(矩形)/Sin(正弦)から選べます。Tri と Sin は倍音が少なく低音向き、Saw と Sqr は明るく前に出ます。FREQ は 5 Hz から 5 kHz まで下がります。可聴帯域より下に設定すると音程ではなく「揺れ」になり、MOD MATRIX 経由でモジュレーターとして使えます。この製品に専用の LFO が無いのはこのためです。EG AMT は VCF EG で音程を動かす量です。プラスに振ると高い所から FREQ へ落ちる下降ピッチになります。キックの「ドゥン」はここで作ります。マイナスは逆に、低い所から上がってくる動きです。SUB の波形は VCO 1 のスイッチ列で Sub Sin(正弦)と Sub Sqr(矩形)から選べます。初期状態は正弦です。矩形は倍音が増えて張り出しますが、FREQ を低くしていくと打点にプツッというノイズが乗ることがあります。低い音で使うときは正弦のままにしてください。SEQ をオフにすると、そのオシレーターだけシーケンサーの音程を無視して同じ高さで鳴り続けます。片方だけ固定したいときに使います。SYNC(VCO 2 側)はハードシンクです。VCO 1 の周期に合わせて VCO 2 の波形が強制的にリセットされ、金属的で硬い音になります。FM AMT と 1→2 / 2→1 は 2 基のあいだの周波数変調です。ベルや非整数倍音のパーカッションはここから作ります。SUB は VCO 1 の 1 オクターブ下を足します。キックやベースの土台を太くしたいときはここを上げてください。VCO 1 を 0 にして SUB だけ鳴らすこともできます。CUTOFF で明るさ、RESONANCE でクセの強さを決めます。MODE はローパス(LP)とハイパス(HP)です。RESONANCE を上げきると、音を入れなくてもフィルターだけが鳴り出します(自励発振)。これは仕様で、サイン波に近い音源として使えます。F08 Self Osc Sine がその例です。EG AMT は VCF EG でカットオフを動かす量です。ここもマイナスに振れます。DRIVE はフィルター入力段のゲインです。上げるほど太く、荒くなります。EG AMT 経由で)音程を、VCA EG は音量を動かします。VEL は、シーケンサーの VEL レーンと MIDI ベロシティが音量にどれだけ効くかです。0 にすると全ステップが同じ音量になります。-24 dB から +12 dB まで。SOURCE(変調元)→ DEST(変調先)を選び、右のスライダーで量を決めます。None のスロットは背景が暗く表示されます。使っているスロットが一目で分かります。オシレーターを変調元にするのがこの製品の使いどころです。
VCO 2 の FREQ を 8 Hz あたりまで下げ、MOD MATRIX で VCO 2 → VCF Cutoff に繋いでみてください。専用 LFO を置く代わりに、オシレーターをそのまま揺れとして使えます。オーディオ帯域まで上げれば、そのまま変調に化けます。
PITCH(音程)、VEL(強さ)、PAN(定位)をステップごとのノブで書きます。PITCH と PAN は中央が 0 で、そこから左右どちらにも振れます。PITCH と PAN のノブは中央が 0 で、そこを起点にリングが伸びます。マイナス側は左、プラス側は右へ伸びます。RUN をオフにすると自動再生が止まります(MIDI トリガーは効きます)。RATE は 1 ステップの長さ、LEN は使うステップ数(1〜8)、SWING は偶数ステップを後ろへずらす量、DIR は進行方向(Fwd / Rev / Pendulum / Random)です。QUANT を Semitone にすると PITCH が半音に丸められます。初期状態はオフ(連続値)で、これがこの製品の標準です。RANGE は PITCH レーンの振れ幅です。+/-5(微妙な高さの差)/+/-12(1 オクターブ)/+/-24(2 オクターブ)から選べます。WIDTH はステップごとの定位の効き幅です。0 にすると全ステップが中央になり、完全なモノラルになります。VEL を 0 にしたステップは休符です。そのステップでは何も発音せず、前の打点がそのまま鳴り続けます。8 個すべてを鳴らさず、間を空けたパターンを書くときに使ってください。レーン・マクロ(各レーンの下)
PITCH と VEL の SCALE は、書いた形を保ったまま振れ幅を伸縮します。0 でレーンが平らになり、戻せば元の形が戻ります(書いた値は消えません)。PAN の SPREAD は左右の広がりです。SAVE でユーザープリセットとして保存、DEL で削除できます。F から始まるファクトリープリセットは削除できません。Export current... で今の音を好きなフォルダーへ書き出し、Import... で読み込めます。別のマシンへ音色を持ち運ぶときに使ってください。TIPS ボタンでオフにできます。設定は次回起動時も保持されます。SET A を押します(点灯します)。SET B を押します。MORPH スライダーを動かすと、A と B のあいだを連続的に移動します。MORPH は何もしません。片方だけでは行き先が無いためです。MORPH は DAW のオートメーションに書けます。これがこの機能の主目的で、多数のつまみを 1 本のレーンでまとめて動かせます。SET をもう一度押すと、その端を取り消せます。SET をもう一度押してください。MORPH を 0% や 100% に置いたままつまみを回しても、記憶されている A / B は変わりません。MORPH を動かすと記憶した音が呼び戻されるので、押し直さないとその場の変更は残りません。MIDI CC ラーン を選ぶと待ち受け状態になり、対象のつまみの外枠が点滅します。この状態で外部機器のノブを動かすと、最初に動いた CC が割り当てられます。[CC nn] が付きます。シーケンサーだけでも鳴りますが、ノートを書くと 2 つのことができるようになります。
PITCH レーンに書いた 8 個です。RATE の刻みから外れた符割りが、シーケンサーを触らずに作れます。VEL レーンの値に掛け算されます。強弱をノート側から重ねられます。ノートの長さは効きません。和音も書かないでください。
エンベロープがアタックとディケイだけでリリースを持たないため、長いノートを書いても音は伸びません。効くのは「始まり」「高さ」「強さ」の 3 つだけです。
また、この製品は同時に 1 音で、ノート 1 つにつきステップが 1 つ進みます。3 和音を置くとステップが一度に 3 つ進んでしまうので、単音で書いてください。
オシレーターの基準となる高さです。シーケンサーの音程・MIDI ノート・モジュレーションは、すべてここを起点に上下します。
5 Hz まであります。可聴帯域より下では音程として聞こえず、MOD MATRIX 経由の揺れとして使えます。110 Hz(VCO 1 / VCO 2 とも)VCF EG で音程を動かす量です。この製品でもっとも打楽器らしさに効くパラメータです。
FREQ へ落ちてくる動きで、キックやトムはこちらです。マイナス側は低い所から上がってくる動きになります。DECAY で決まります。短くすると「コッ」、長くすると「ドゥーン」になります。0.00片方のオシレーターでもう片方の周波数を変調します。1→2 と 2→1 で向きを選べます。
FREQ の比率で響きが決まります。整数比に近いとベル、外すと非整数倍音の金属音になります。0.00 / 1→2フィルターの明るさとクセです。
RESONANCE を上げきると自励発振します。MIXER を全部 0 にしてもサイン波に近い音が出続けるので、音源としても使えます。1200 Hz / 0.20VCF EG でカットオフを動かす量です。パーカッションの「開いて閉じる」感はここで作ります。
+0.60フィルターに入る前のゲインです。上げるほど歪み、レゾナンスの暴れ方も変わります。
0.25立ち上がりと減衰の時間です。打楽器では ATTACK をほぼ最短にしたまま、DECAY だけで性格を決めるのが基本です。
DECAY が音の長さそのもの、VCF EG の DECAY が「うねりの長さ」です。VCF 側を短くすると、音は伸びているのに頭だけ明るいアタックになります。1 ms / 250 ms、VCA EG 1 ms / 180 msステップごとの音程です。中央が 0、上下に振れます。振れ幅はトランスポート行の RANGE で決めます。
QUANT を Semitone にしてください。RANGE を +/-5 に狭めると、ノブの分解能が上がって扱いやすくなります。0.00(中央)/ RANGE +/-12ステップごとの定位と、その効き幅です。
WIDTH を 0 にしてください。全ステップが中央になります。0.00(中央) / WIDTH 1.00フレーズの流れを決めます。
SWING は偶数番のステップ(2・4・6・8)を後ろへずらします。LEN は 1 周に使うステップ数(1〜8)です。4 にすると 4 ステップで先頭へ戻ります。Pendulum は端を重複させずに往復します(1→8→2 の 14 ステップ周期)。Random は毎回ランダムに 1 つ選びます。0.00 / Fwd / 8VCO 1 FREQ: 55 Hz / Tri
VCO 1 EG AMT: +0.45 プラスで下降ピッチ
MIXER: VCO1 1.00 / SUB 0.25 (Sub Sin) / VCO2 0.00 / NOISE 0.00
VCF CUTOFF: 900 Hz
VCF DRIVE: 0.65
VCF EG DECAY: 200 ms
VCA EG DECAY: 400 ms
SUB を上げすぎないのがコツです。上げるほど土台は太くなりますが、低い方へ寄りすぎるとノート PC やスマートフォンのスピーカーでは何も聞こえない音になります。低音は「量」より「どの高さに置くか」で決まります。
VCA EG DECAY は単発ではなくパターンで鳴らしながら決めてください。1 発だけ聴いて気持ちいい長さにすると、連打したときに次の打点へかぶって濁ります。
MIXER: VCO1 0.25 / VCO2 0.20 / NOISE 1.00
VCF MODE: HP
VCF CUTOFF: 2200 Hz
VCF RESONANCE: 0.72
VCF EG DECAY: 120 ms
VCA EG DECAY: 170 ms
MIXER: VCO1 0.00 / VCO2 0.00 / NOISE ごく少量
VCF RESONANCE: 1.00
VCF EG AMT: 0.30
VCA EG DECAY: 長め
SEQ DIR: Random
SEQ SWING: 0.50
SEQ RANGE: +/-12
SEQ PAN: 奇数ステップ 左 / 偶数ステップ 右
OUT WIDTH: 1.00
MOD MATRIX の 1 スロット目は、まず VCF EG → VCF Cutoff を試してください。
VCF セクションの EG AMT と同じことができますが、MOD MATRIX 側なら量を独立して重ねられます。片方でおおまかに、もう片方で微調整という使い方ができます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| OS | Windows 10 / 11 x64 |
| 形式 | VST3 プラグイン(インストゥルメント) |
| 対応 DAW | VST3 に対応した DAW(Ableton Live で動作確認) |
| 発音数 | モノフォニック(同時に 1 音)。重ねたい場合は複数インスタンスを立ち上げてください |
| 出力 | ステレオ |
| サンプルレート | 44.1 kHz 〜 192 kHz |
| レイテンシー | 音質のためにわずかな遅延が発生します。DAW へ自動で報告されるため、録音位置はずれません |
| ウィンドウサイズ | 1200 × 750 px(固定) |
ANVIL.vst3 フォルダを C:\Program Files\Common Files\VST3\ へコピーします。C:\Program Files\Common Files\VST3\ANVIL.vst3 フォルダを削除してください。ユーザープリセットも完全に消す場合は %APPDATA%\Tonecraft Tokyo\ANVIL\ も削除します。
C:\Program Files\Common Files\VST3\ になっているか確認し、DAW のプラグイン再スキャンを実行してください。DAW を起動したままコピーすると反映されないことがあります。RUN がオフになっていないか、MIXER の 4 つ(VCO1 / SUB / VCO2 / NOISE)が全部 0 になっていないかも確認してください。RESONANCE を上げきるとフィルター自体が発振します。仕様です。止めたいときは RESONANCE を下げてください。PITCH は初期状態で連続値です。QUANT を Semitone に切り替えると半音単位になります。RANGE で振れ幅も変えられます。WIDTH を 0 にすると全ステップが中央になります。SAVE でユーザープリセットとして保存してください。MORPH を動かしても何も変わらない
SET A と SET B の両方が点灯しているかを確認してください。片方だけでは行き先が無いので、MORPH は何もしません。MORPH を動かすと元に戻ってしまう
SET A / SET B を押した瞬間の音を記憶しています。端(0% / 100%)で音を作り直したときは、その端の SET をもう一度押して取り直してください。VCA EG の DECAY だけで決まります。VEL が 0 のステップは休符で、そこでは何も発音せず、前の打点をそのまま鳴らし続けます。切りたい場合は VCA EG の DECAY を短くしてください。SUB を上げると打点にプツッというノイズが乗る
SUB の波形が Sub Sqr(矩形)になっていないか確認してください。低い音では Sub Sin(正弦、初期状態)が安全です。SUB を下げ、VCF CUTOFF を上げて、基音がはっきり聞こえる高さへ持ち上げてください。