ENCOREHALL は、歌枠をする配信者の歌声に、本物の会場で歌っているような響き(リバーブ)とエコーを足すプラグインです(Pro 版は 6 つの場面と声を優先する機能を搭載)。
1. 概要
ENCOREHALL は、歌枠(歌配信)をする VTuber や配信者のためのプラグインです。難しい音響の専門知識は要りません。歌う場所の場面を選んでノブを回すだけで、まるで本物の会場で歌っているような上質な響きとエコーを歌声に加えることができます。
- 専門知識不要のシンプルな操作: 難しい用語は一切使わず、場面(スタジオ・カラオケ・ライブハウス・ホール)を選んでノブを回すだけで直感的に音を作ることができます。
- 歌詞がぼやけない: 響きやエコーを足しても言葉が濁らないよう、送る声のサ行や低域を自動的に整えています。
- 遅延なし: 処理による遅延がないため、歌声や口の動きと映像がずれる心配がありません。
- 軽い動作: 配信ソフトと同じ PC で動かせるよう、軽く作っています。
- 安心の音割れ防止: どこまでノブを回しても音が割れないよう、出口で自動的に抑えています。また、原音自体の音量は変わりません。
2. 動作環境
| 項目 | 内容 |
| 対応 OS | Windows 10 / 11 (64bit)、macOS 11 以降(Apple Silicon / Intel) |
| プラグイン形式 | Windows: VST3 / Mac: VST3・AU |
| 対応ホスト | OBS Studio 31.1.1 以降 (64bit、atkAudio Plugin 経由)、または VST3・AU 対応 DAW |
| 入出力チャンネル | モノラル / ステレオ |
| 遅延 | なし(歌声と映像がずれません) |
| 画面サイズ | 800 × 488 px(固定) |
| 画面の言語 | 日本語 / 英語(OS の表示言語に合わせて切り替わります) |
3. インストール
インストール(Windows)
- ダウンロードした ZIP ファイルを解凍します。
ENCOREHALL.vst3 フォルダを次の場所へコピーします:
C:\Program Files\Common Files\VST3\
- DAW やホストを起動し、プラグインの再スキャンを実行します(起動したままコピーすると反映されないことがあります)。
Windows での警告について:
コード署名をしていないため、ZIP のダウンロード時や解凍時にブラウザや Windows が警告を出すことがあります。その場合は保存や実行を許可してください。解凍前に ZIP を右クリック→「プロパティ」を開き、下部に「セキュリティ: このファイルは他のコンピューターから取得した...」と表示されていたら、「許可する」にチェックを入れて OK を押してから解凍してください。
インストール(Mac)
- ダウンロードした ZIP ファイルを解凍します。
ENCOREHALL.vst3 を ~/Library/Audio/Plug-Ins/VST3/ へ、ENCOREHALL.component を ~/Library/Audio/Plug-Ins/Components/ へコピーします(~ はホームフォルダです。Finder の「移動」メニューから「フォルダへ移動」を選び、パスを貼り付けると開けます。フォルダが存在しない場合は新規作成してください)。
- ターミナル(アプリケーション → ユーティリティ → ターミナル)を開き、次の 3 行を 1 行ずつ貼り付けて Return キーを押します。
cd ~/Library/Audio/Plug-Ins
xattr -dr com.apple.quarantine VST3/"ENCOREHALL.vst3"
xattr -dr com.apple.quarantine Components/"ENCOREHALL.component"
- DAW や OBS を起動し、プラグインの再スキャンを実行します(起動したままコピーすると反映されないことがあります。Logic Pro などで AU が一覧に出てこないときは Mac を再起動してください)。
Mac でのセキュリティ警告について:
本プラグインは公証を受けていないため、上記のコマンドを実行しないと macOS が「壊れているため開けません」「開発元を検証できません」と表示し、DAW がプラグインを読み込みません。このコマンドはダウンロードしたファイルに macOS が付ける印を外すものです。アップデートでプラグインを入れ直したときも再実行が必要です。何も表示されなければ成功です。
アンインストール
【Windows】コピーした ENCOREHALL.vst3 フォルダを削除してください。
【Mac】コピーした ENCOREHALL.vst3 と ENCOREHALL.component を削除してください。
4. OBS で使う
OBS は VST3 を直接読み込むことができないため、無料の OBS 用プラグイン「atkAudio Plugin」を入れて、その中で ENCOREHALL を動かします。OBS Studio 31.1.1 以降 (64bit) が必要です。
- atkAudio Plugin の配布ページから、お使いの OS 用のインストーラーを入れてインストールします。
- OBS を起動し、マイクの音声ソースの「フィルタ」を開きます。
- 「+」から「atkAudio Plugin Host」を追加します。
- 「Open Plugin Settings」を押し、「Options」から「Scan for new or updated VST3 plugins」を選んでプラグインを探させます(初回のみ)。
- 一覧から ENCOREHALL を選んで「Load Plugin」で読み込み、画面を開いてノブを回します。
マイクのフィルタの順番について:
マイクのフィルタの順番は、OBS 標準のノイズ抑制や音声調整プラグインを使う場合、それらの後ろに ENCOREHALL を置きます。
※DAW(Ableton Live など)では、ボーカルトラックにエフェクトとして挿入して使用します。
5. 画面の見かた
ヘッダー帯(上端)
- ロゴ & バージョン: ウィンドウ左上にロゴとバージョン表記(v1.0.0)を表示します。
- プリセット欄: 画面上部の中央に配置されています。曲や枠の雰囲気に合わせた設定集(プリセット)をすばやく切り替えることができます。無料版では 14 種類のファクトリープリセット(F01〜F14)が利用できます。
- TALK ボタン: 画面右上の手動点灯ボタンです。雑談するときに押すと点灯し、歌声の響きやエコーへの新しい送りを止めます。鳴っている余韻は自然に消えていくため、歌い終わりの余韻が不自然に切れません。歌い始める前に再度押して消灯します。自動で話し声を判別する機能はありません。
案内欄
- ヘッダーの直下に配置されています。ボタンやつまみにマウスを乗せると、その機能の解説やヒントを日本語で表示します。
SCENE パネル「場面」
歌う場所を選びます。無料版では 4 つの場面から選択できます。
- STUDIO: スタジオ。響きを抑えた部屋です。
- KARAOKE: カラオケ。カラオケルームのような響きです。
- LIVE: ライブハウス。ライブハウスの厚みと臨場感です。
- HALL: ホール(既定値)。コンサートホールのような広く上品な響きです。
- CATHEDRAL / DREAM: Pro 版の場面です。無料版でもボタンは表示されていますが、PRO の印が付いており選択できません。
- 場面の説明: パネル下部に、現在選んでいる場面の特徴が表示されます。
STAGE パネル「響き」
選んだ場面の響きやエコーを整えます。
- 響きの表示: 直近の流れを画面に表示します。原音の大きさを灰色の面、響きとエコーの大きさを水色の線でリアルタイムに描きます。
- SPACE「響きの量」: 響きをどれだけ足すかを調整します(既定値: 40)。0 にすると響きを足さず原音のみになります。
- SIZE「広さ」: 選んだ場面の中での空間の広さを調整します(既定値: 50)。上げるほど広く、歌い終わりの余韻が長くなります。
- TONE「明るさ」: 響きの明るさを調整します(既定値: 50)。左へ回すと柔らかく落ち着いた響き、右へ回すときらびやかで抜けの良い響きになります。
- ECHO「エコー」: カラオケのように歌声を少し遅れて繰り返します(既定値: 30)。上げるほど大きく、長く繰り返します。繰り返しの間隔は選んだ場面と SIZE で自動的に決まります。0 にするとエコーは鳴りません。
- CLEAR「声を優先」: Pro 版の機能です。無料版でもノブは表示されていますが、PRO の印が付いており操作できません。
OUT パネル「声の大きさ」
- OUT メーター: 縦型のメーターです。歌っているときにバーが目標の帯に入っていれば、配信で聴き取りやすい適切な大きさです。
- どこまで回しても音が割れないよう、出口で自動的に抑えています。
6. 使い方
- SCENE パネルから歌う曲の雰囲気に合った場面を選びます(迷ったら標準の HALL)。
- 歌いながら SPACE(響きの量)を回し、気持ちよく歌える響きの量に調整します。
- 曲のテンポや曲調に合わせて SIZE(広さ)や TONE(明るさ)を調整します。
- カラオケのような繰り返し感を足したいときは ECHO を上げます。
- OUT メーターを見て、歌っているときにバーが帯の中に入っているか確認します。
- 曲の合間にリスナーと雑談するときは、右上の TALK ボタンを押します。響きへの新しい送りが止まり、余韻を残したまま話し声が聞き取りやすくなります。歌い始める前に再び押してオフにします。
※各ノブはダブルクリックまたは右クリックで既定値に戻すことができます。
7. 使い方のヒント
- 場面の選び方: どこで歌っているように聴かせたいかで選びます。迷ったら HALL がおすすめです。元気な曲やアップテンポな曲には STUDIO や LIVE が合います。
- 伴奏がにぎやかな曲: 伴奏(オケ)自体に響きが多く含まれている曲では、SPACE を少し控えめにすると歌声が埋もれずすっきり聴かせられます。
- サ行やこもりの調整: 歌声がこもって聞こえるときは TONE を少し上げ、逆にサ行や息づかいが目立つと感じるときは TONE を少し下げて柔らかくします。
- プリセットの活用: 画面上部のプリセット欄から曲調(バラード、ロック、アニソンなど)や枠の雰囲気に合わせた設定を 1 つ選ぶだけで、場面と各ノブがまとめて切り替わります。
- TALK ボタンの使い分け: TALK ボタンは手動で切り替えます。雑談中にオンにしておけば、歌い終わりの余韻を急に切ることなく、話し声だけすっきりとリスナーに届けられます。
8. 上位版 ENCOREHALL Pro について
より豊かな表現や自動調整をお求めの方のために、上位版「ENCOREHALL Pro」をご用意しています。ENCOREHALL Pro では以下の機能が追加されます:
- 場面の追加(CATHEDRAL / DREAM): 荘厳で広大な響きの「CATHEDRAL(大聖堂)」と、幻想的で長い余韻の「DREAM(夢の中)」が選べるようになります(全 6 場面)。
- CLEAR「声を優先」: 歌っている間は響きとエコーを控えめに抑え、息継ぎや歌い終わりでふわりと広げます。響きを豊かにしても歌詞が埋もれず、言葉が前に出ます(「声を優先中」ランプ付き)。
- 設定の保存: 自分で作ったお気に入りの設定をユーザープリセットとして保存・読み込みできます(ファクトリープリセットも全 20 種類に拡張されます)。
公式サイト ↗
9. 注意事項
- 本製品はサポートなし・現状渡しの無料配布(フリーウェア)です。
- ソースコードは非公開です。
- 本製品の著作権は Tonecraft Tokyo に帰属します。
- 本製品の改変・リバースエンジニアリング・再配布・転売を禁止します(配布は Tonecraft Tokyo 公式サイトと BOOTH からお願いします)。
- 商用・非商用を問わず無料でご利用いただけます。
- 本製品は JUCE を使用しています。
10. 免責事項
- 本製品は現状有姿(AS IS)で提供されます。明示・黙示を問わず、商品性、特定目的への適合性、第三者の権利を侵害しないことを含め、いかなる保証も行いません。
- 本製品の使用または使用不能によって生じたいかなる損害(プロジェクトファイルやオーディオデータの消失・破損、機材の不具合、作業時間の損失、逸失利益などを含み、これらに限りません)についても、Tonecraft Tokyo は一切の責任を負いません。
- すべての DAW・OS・ハードウェアの組み合わせでの動作は保証しません。
- 本製品は予告なく仕様変更・提供終了する場合があります。
- ご利用は自己責任でお願いします。重要な作業の前にはプロジェクトのバックアップを取ってください。
11. ライセンス表記
- VST is a trademark of Steinberg Media Technologies GmbH.
- 本製品は JUCE を使用しています。
- Noto Sans JP / JetBrains Mono — SIL Open Font License 1.1
12. ご感想・ご意見
使ってみた感想やご意見をお寄せください。
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