ZEROLINE / ZEROLINE Pro
ユーザーマニュアル — v1.1.0
ZEROLINE は、ミックス前に各トラックの平均レベルを測り、トリム値を一度で揃えるゲインステージング用ユーティリティです。無料版の ZEROLINE と、機能を加えた上位版の ZEROLINE Pro があります。このマニュアルは両方をまとめて説明しています。Pro 版だけの機能には「Pro 版のみ」と書いてあります。
無料版と Pro 版の違い
| 機能 | ZEROLINE(無料) | ZEROLINE Pro |
|---|---|---|
| LEARN(平均レベルを測ってトリム値を固定) | ○ | ○ |
| TRIM ノブ・Ø(位相反転) | ○ | ○ |
| IN / OUT の VU メーター・CLIP 表示・PEAK WARNING | ○ | ○ |
| 目標レベル | 0 VU = -18 dBFS 固定 | TARGET で VU / LUFS / PEAK から選んで変更 |
| MATCH(エフェクト前後の音量を揃える) | — | ○ |
| LEARN ALL(全トラックを一斉に測る) | — | ○ |
| 価格・入手先 | 無料(公式サイト / BOOTH) | ¥500(BOOTH) |
無料版では、TARGET パネルと MATCH パネルに「PRO」バッジが付き、操作できない状態で表示されます。
1. 概要
ゲインステージングは、各トラックの音量をミックス作業に適した基準レベルに整えるための重要な下準備です。ZEROLINE は、トラックの音声を再生してボタンを押すだけで平均レベルを測定し、最適なトリム値をワンアクションで決定します。
- 「常に追従しない」確実なトリム固定: LEARN 機能で一度測定したら、算出されたトリム値で完全に固定(LOCKED)されます。音量に常時追従して動き続けることがないため、意図せず低速なコンプレッサーのように動作してしまう心配がありません。
- 柔軟なターゲット基準(TARGET・Pro 版のみ): 業界標準の VU(平均レベル)測定に加え、ラウドネス基準の LUFS(Integrated)や、ピークを揃える PEAK モードを搭載。用途や配信規格に合わせたゲインステージングが可能です。
- エフェクト前後の音量マッチング(MATCH・Pro 版のみ): プラグインの前後に 2 つ挿すことで、エフェクトによる音量変化を打ち消すトリムを測って固定します。エフェクトと OUT を一緒に切り替えれば、音量差に惑わされずに音の変化を聴き比べられます。
- プロジェクト全トラックの一括測定(LEARN ALL・Pro 版のみ): 1 つのボタンで、プロジェクト内の ZEROLINE Pro をまとめて LEARN できます。
- ゼロレイテンシー設計: プラグイン処理によるレイテンシー(遅延)は一切ありません。
2. 動作環境
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対応 OS | Windows 10 / 11 (64bit)、macOS 11 以降(Apple Silicon / Intel) |
| プラグイン形式 | Windows: VST3 / Mac: VST3・AU |
| 対応ホスト | VST3 または AU 対応の DAW |
| 入出力チャンネル | モノラル / ステレオ |
| サンプルレート | ホスト(DAW)に依存 |
| 画面サイズ | 720 × 480 px (固定・リサイズ不可) |
| レイテンシー | なし (0 サンプル) |
| プリセット | なし |
| バイパス機能 | DAW 本体のバイパス機能をご使用ください |
3. インストール
インストール(Windows)
- ダウンロードした ZIP ファイルを解凍します(同梱物:
ZEROLINE.vst3(Pro 版はZEROLINE Pro.vst3)、README.txt、マニュアル HTML)。 ZEROLINE.vst3(Pro 版はZEROLINE Pro.vst3)フォルダを次の場所へコピーします:
C:\Program Files\Common Files\VST3\- DAW を起動し、プラグインの再スキャンを実行します(DAW を起動したままコピーすると反映されないことがあります)。
Windows での警告について:
コード署名をしていないため、ZIP のダウンロード時にブラウザが警告を出すことがあります。その場合は保存を許可してください。解凍前に ZIP を右クリック→「プロパティ」を開き、下部に「セキュリティ: このファイルは他のコンピューターから取得した…」と表示されていたら、「許可する」にチェックを入れて OK を押してから解凍してください。
インストール(Mac)
- ダウンロードした ZIP ファイルを解凍します。
ZEROLINE.vst3(Pro 版はZEROLINE Pro.vst3)を~/Library/Audio/Plug-Ins/VST3/へ、ZEROLINE.component(Pro 版はZEROLINE Pro.component)を~/Library/Audio/Plug-Ins/Components/へコピーします(~はホームフォルダです。Finder の「移動」メニューから「フォルダへ移動」を選び、パスを貼り付けると開けます。フォルダが存在しない場合は新規作成してください)。- ターミナル(アプリケーション → ユーティリティ → ターミナル)を開き、次の 3 行を 1 行ずつ貼り付けて Return キーを押します。
無料版:cd ~/Library/Audio/Plug-Ins xattr -dr com.apple.quarantine VST3/"ZEROLINE.vst3" xattr -dr com.apple.quarantine Components/"ZEROLINE.component"Pro 版:
cd ~/Library/Audio/Plug-Ins xattr -dr com.apple.quarantine VST3/"ZEROLINE Pro.vst3" xattr -dr com.apple.quarantine Components/"ZEROLINE Pro.component" - DAW を起動し、プラグインの再スキャンを実行します(DAW を起動したままコピーすると反映されないことがあります。Logic Pro などで AU が一覧に出てこないときは Mac を再起動してください)。
Mac でのセキュリティ警告について:
本プラグインは公証を受けていないため、上記のコマンドを実行しないと macOS が「壊れているため開けません」「開発元を検証できません」と表示し、DAW がプラグインを読み込みません。このコマンドはダウンロードしたファイルに macOS が付ける印を外すものです。アップデートでプラグインを入れ直したときも再実行が必要です。何も表示されなければ成功です。
アンインストール
【Windows】コピーした ZEROLINE.vst3(Pro 版は ZEROLINE Pro.vst3)フォルダを削除してください。
【Mac】コピーした ZEROLINE.vst3 と ZEROLINE.component(Pro 版は ZEROLINE Pro.vst3 と ZEROLINE Pro.component)を削除してください。
4. 画面の見かた
画面サイズは 720 × 480 px 固定です。各パネルの役割と配置は以下の通りです。
- ヘッダー帯(上端): 左上にブランドロゴとバージョン番号(
v1.1.0)を表示します。右側には ROLE が IN / OUT のとき「MATCH IN · A」のような役割表示が出ます(Pro 版のみ)。 - InfoBar(上部帯): ヘッダーの直下に配置されています。各パネルのノブやボタンにマウスカーソルを合わせると、その機能の解説や操作方法が日本語で表示されます。
- LEVEL パネル(左側):
- VU メーター: 入力信号(トリム前)を表示する
INメーターと、出力信号(トリム後)を表示するOUTメーターの 2 つを搭載しています。緑色のラインが目標値(0 VU)を示します。 - CLIP インジケーター: メーター上部に配置され、信号が -0.2 dBFS を超えると 2 秒間赤く点灯して警告します。
- 基準レベル表示: メーター下部に「0 VU = -18 dBFS」のように現在の基準設定を表示します(無料版は常に -18 dBFS)。
- VU メーター: 入力信号(トリム前)を表示する
- TRIM パネル(中央):
- TRIM ノブ: ゲイン調整を行う大型ノブです(-24.0 〜 +24.0 dB、0.1 dB 刻み)。手動での微調整が可能です。
- LEARN ボタン: 平均音量の自動測定を開始・停止します。
- 状態表示(ステータス表示): 2 行構成で現在の動作状態を表示します(1 行目は英語のステータス、2 行目は詳細情報や測定値)。
- Ø ボタン: 信号の位相を反転(180度反転)します。
- TARGET パネル(右上・Pro 版のみ): 測定の目標基準(MODE)と目標レベル(LEVEL)を設定します。無料版では「PRO」バッジが付き、操作できません。
- MATCH パネル(右下・Pro 版のみ): エフェクト前後の音量を揃える機能です。役割(ROLE: OFF / IN / OUT)、グループ(GROUP: A〜H)、および一括測定の LEARN ALL ボタン(ROLE が OUT のときは MATCH ボタン)が配置されています。無料版では「PRO」バッジが付き、操作できません。
5. LEARN の使い方
LEARN は、トラックの音量を測定して最適なトリム値を自動で決定する基本機能です。
測定手順
- トラックのエフェクトチェーン先頭(インストゥルメントトラックの場合は音源の直後)に
ZEROLINEを挿入します。 - DAW で曲の再生を開始します。
LEARNボタンをクリックします(状態表示がLEARNINGに変化します)。- 楽曲の中でそのパートが一番しっかり鳴っている部分(サビなど)を数秒間再生します。
- もう一度
LEARNボタンをクリックするか、DAW の再生を停止します。 - トリム値が決定され、その値で固定されます(状態表示が
LOCKEDになり、2 行目に測った入力のレベルが表示されます。Pro 版では選択中の MODE の単位で表示されます。決まったトリム値は TRIM ノブで確認できます)。
目標レベルは、無料版では 0 VU = -18 dBFS(平均レベル)に固定です。Pro 版では TARGET パネルで変えられます。
測定の仕様とポイント
- 測定対象: トリム前の入力信号を測定します。LEARN の測定中に TRIM ノブを手動で回しても測定結果には影響しません。また、演奏のない無音部分は自動的に測定から除外されます。
- 測定時間: 測定時間に上限はありません。数秒の測定でもトリム値は決定されますが、極端に短いと結果がばらつく場合があります。また、静かなイントロやブレイク部分だけで測定するとトリム値が過剰に上がってしまうため、音量が最も大きいセクションで測定してください。
- セッションへの保存と微調整: 決定されたトリム値は DAW のセッションファイルに保存されます。測定後に TRIM ノブを手動で回して微調整することも可能です。
- ピークの扱いと PEAK WARNING: 本製品は平均レベルを揃えるプラグインであり、ピーク値を揃えるものではありません。平均レベルで揃えた結果、出力信号のピークが 0 dBFS 付近(-0.2 dBFS 以上)に達する見込みがある場合は、状態表示に
PEAK WARNINGが表示されます(DAW 内部の浮動小数点処理では 0 dBFS を超えても即座にクリップ割れは起きませんが、後段の機材やプラグインへの過大入力にご注意ください)。
6. TARGET(Pro 版のみ)
TARGET は、測定の目標とする基準モード(MODE)と目標音量(LEVEL)を設定する Pro 専用パネルです。
MODE(測定モード)
- VU(既定): 平均レベル(VU)を基準に測定します。メーター上に緑色の目標線(0 VU)が表示されます。
- LUFS: 聴感上の音量(Integrated LUFS)を基準に測定します。
- PEAK: サンプルピークを基準に測定します。ピークが目標レベルを超えない側に合わせてトリム値を決定します。PEAK モード測定時は
PEAK WARNINGは発生しません。
LEVEL(目標レベル)
LEVEL の設定範囲および既定値は、選択中の MODE ごとに独立して記憶されます。
- VU モード時: 0 VU を何 dBFS とするかの基準値を設定します(-24.0 〜 -8.0 dBFS、既定値:
-18.0 dBFS)。スタジオの作業標準(-20 dBFS、-18 dBFS、-14 dBFS など)に合わせて切り替えることができます。 - LUFS モード時: 目標とする Integrated LUFS 値を設定します(-36.0 〜 -10.0 LUFS、既定値:
-18.0 LUFS)。 - PEAK モード時: 目標とするピーク dBFS 値を設定します(-24.0 〜 0.0 dBFS、既定値:
-6.0 dBFS)。
モード切り替え時のメーター表示:
LUFS モードおよび PEAK モード選択時でも、LEVEL パネルのメーターは VU メーターのまま動作します。この際、メーター上の緑色の目標線は消灯します。また、LEARN 測定中に MODE を切り替えることも可能で、測定を完了した時点の MODE 設定に基づいてトリム値が算出されます。
7. MATCH(Pro 版のみ)
MATCH は、コンプレッサーやサチュレーターなどのエフェクトを挟む前と後で音量を正確に一致させる Pro 専用機能です。「音量が上がっただけで音が良くなったように聴こえる」錯覚を避けて、音の変化を比べられます。
設定手順
- 1 つのトラックに
ZEROLINE Proを 2 つ挿入します。
配置:[ZEROLINE Pro (IN)] → [対象のエフェクト群] → [ZEROLINE Pro (OUT)]
Mac で AU 版と VST3 版の両方を使える DAW では、2 つとも同じ形式(AU どうし、または VST3 どうし)で挿入してください。 - 2 つのインスタンスの
GROUPを同じグループ(A〜H のいずれか)に設定します。 - エフェクトの手前にあるインスタンスの
ROLEをIN、エフェクトの後ろにあるインスタンスのROLEをOUTに設定します。 - DAW で曲を再生し、OUT 側インスタンスの MATCH パネル下部にある
MATCHボタンをクリックします。 - 音量がしっかり出ている部分を再生した後、もう一度
MATCHボタンをクリックするか、DAW の再生を停止します。 - OUT 側の出力音量が IN 側の出力音量と同じになるようトリム値が自動で固定されます(状態表示:
LOCKED)。
ROLE によるカラー表示と見分け方
設定ミスを防ぐため、ROLE に応じて画面のテーマカラーが変化します。
- ROLE: IN(ブルー): ヘッダー帯の色、ウィンドウ右上の表示(「MATCH IN · A」)、および ROLE ボタンが青色になります。
- ROLE: OUT(オレンジ): ヘッダー帯の色、ウィンドウ右上の表示(「MATCH OUT · A」)、ROLE ボタン、さらに LEVEL パネルのメーター表示もオレンジ色に変わります。
MATCH 使用時の注意点:
- 中央の LEARN ボタン: 役割が OUT に設定されているインスタンスでは、中央の LEARN ボタンは押せなくなります(MATCH パネル下部の
MATCHボタンを使用します)。 - エフェクト設定変更時: 音量が揃うのは「MATCH を実行した時点のエフェクト設定」に対してです。エフェクトのドライブ量や出力ゲインを変更した場合は、再度 MATCH を実行してください。
- A/B 試聴時の注意: エフェクトのオン/オフで比較試聴を行う際は、エフェクトと OUT 側の ZEROLINE Pro を同時にバイパスしてください(Ableton Live の Audio Effect Rack などで 2 つをまとめてラックごとオン/オフします)。エフェクトだけをバイパスすると、OUT 側のトリム値がそのまま残るため音量がずれてしまいます。
- 複数トラックでの使用: 2 組目以降の MATCH ペアを作成する際は、別のグループ(GROUP B〜H)を割り当ててください。
- DAW のプロセス設定(重要): DAW がプラグインを別プロセスで動作させる設定(Bitwig Studio のサンドボックス機能など)になっていると、インスタンス同士が通信できず
NO PARTNERエラーになります。必ず同一プロセスで動作させる設定にしてください。 - プラグイン形式をそろえる(Mac): IN を AU 版、OUT を VST3 版のように形式が違うと、お互いを見つけられず
NO PARTNERになります。IN と OUT は同じ形式で挿入してください。
8. LEARN ALL(Pro 版のみ)
LEARN ALL は、ZEROLINE Pro を挿したトラックをまとめて LEARN する機能です(ROLE が OUT のものは除きます)。
- 一斉測定の開始と停止: どのインスタンスの
LEARN ALLボタンを押しても、プロジェクト内の全 ZEROLINE Pro(ROLE が OFF または IN のもの)で一斉に LEARN が開始されます。もう一度押すか、DAW の再生を停止すると全トラックで一斉に測定が終了し、トリム値が固定されます。 - 測っている数の表示: LEARN ALL で測定中のインスタンスは、状態表示の 2 行目に
ALL 6 / 3.2 sのように、一緒に測っている数と経過秒数が出ます。挿したはずの数より少ないときは、ROLE が OUT のもの、または形式違い(Mac の AU と VST3)のものが混ざっています。 - 個別トラックの終了: LEARN ALL の測定中に特定のインスタンスの個別
LEARNボタンを押すと、そのトラックだけを個別に測定完了できます。 - ROLE: OUT の除外: 役割が OUT に設定されているインスタンスは一斉測定の対象外となり、状態表示に
SKIPPEDと表示されます。LEARN ALL が完了した後に、各 OUT 側インスタンスで個別に MATCH を実行してください。 - プロセス設定の制限: MATCH と同様、DAW のサンドボックス(別プロセス実行)設定下ではインスタンス間の連携が行えません。
- 形式ごとの対象: Mac で AU 版と VST3 版を混在させた場合、LEARN ALL は押したものと同じ形式の ZEROLINE Pro だけに効きます。
- LEARN ALL のあと: 全トラックが同じ基準のレベルに揃った状態から、フェーダーでバランスを作ります。LEARN ALL はミックスの下地を作る機能で、バランスまでは決めません。
9. 状態表示
TRIM パネルの状態表示欄に表示されるステータスの一覧です。1 行目は色分けされた英語のステータス、2 行目は詳細情報や測定値が表示されます。
通常 LEARN 時の表示
- PLAY, THEN LEARN: 待機中。曲を再生してから LEARN ボタンを押してください。
- LEARNING: 測定中です(2 行目に経過秒数。LEARN ALL で測っているときは
ALL 6 / 3.2 sのように一緒に測っている数も出ます)。 - LOCKED: トリム値が固定されました(2 行目に測った入力のレベル。例:
-5.0 VU。Pro 版の LUFS / PEAK モードでは-23.0 LUFS/-20.0 dBFS)。 - PEAK WARNING: トリム値は固定されましたが、出力ピークが大きくなる見込みです(-0.2 dBFS 以上。2 行目に見込み値)。
- OUT OF RANGE: 目標レベルに達するためのトリム値が許容範囲(±24.0 dB)を超えたため、最大値または最小値で止めました(2 行目に止めた値)。
- NO SIGNAL: 測定可能なオーディオ信号が検出されませんでした。トリム値は変更されません(プラグインの挿入位置やトラックの再生状態をご確認ください)。
MATCH 時の表示(Pro 版のみ)
- PLAY, THEN MATCH: 待機中。曲を再生してから MATCH ボタンを押してください。
- LOCKED: エフェクト前後の音量が揃い、トリム値が固定されました(2 行目に「MATCH +6.0 dB」のように決定されたトリム値が表示されます)。
- NO PARTNER: 同じグループ(GROUP)に対となる IN 側のインスタンスが存在しません。トリム値は変更されません。
- AMBIGUOUS: 同じグループ(GROUP)内に IN または OUT のインスタンスが 2 つ以上存在し、ペアを特定できません。トリム値は変更されません。
LEARN ALL 時の表示(Pro 版のみ)
- SKIPPED: 役割が OUT のインスタンスに表示されます(一斉測定の対象外であることを示します。2 行目は OUT uses MATCH)。
10. 使い方のヒント
- 揃うのはミックスの下地:
ZEROLINE が揃えるのは、エフェクトに入る手前のレベルです。後ろに挿すコンプレッサーやサチュレーターが毎回同じくらいのレベルを受け取るので、設定やプリセットを使い回しやすくなります。全トラックが同じ平均レベルになるので、そのままではハイハットもボーカルも同じ大きさで鳴ります。トラック同士の音量バランスは、このあとフェーダーで決めてください。 - プラグインの挿入位置:
各トラックのエフェクトチェーン先頭(音源トラックではインストゥルメントの直後)に挿入して使用します。各トラックの平均音量をあらかじめ揃えておくことで、後段のコンプレッサーやサチュレーターへの入力ゲインが安定し、プリセットや設定を使い回しやすくなります。 - 常に追従させない理由:
ZEROLINE は一度測定したらトリム値を固定する仕様を採用しています。音量にリアルタイムで追従し続けると、静かなセクションでゲインが上がり、ラウドなセクションでゲインが下がるという、意図しないコンプレッサーのような動作をしてダイナミクスを損なってしまうためです。 - 測定セクションの選び方:
測定する際は、楽曲の中でそのトラックが最も力強く鳴っているセクション(サビなど)を再生してください。静かなイントロやフレーズの隙間だけで測定を行うと、トリム値が過大に持ち上がってしまう原因になります。 - ピーク警告(PEAK WARNING)への対処:
ZEROLINE はピーク値ではなく平均レベルを基準に調整します。そのため、アタックの強いスネアドラムやパーカッションなどでは、揃えた結果としてピークが 0 dBFS 付近(-0.2 dBFS 以上)まで上がることがあります。DAW の内部処理は浮動小数点数なので、0 dBFS を超えてもすぐに割れるわけではありません。ただし後段の機材やプラグインによっては歪むことがあるため、気になるときは TRIM ノブを手動で少し下げてください。 - 位相反転(Ø)ボタンの活用:
ドラムのマルチマイキング(スネアのトップ/ボトム、キックのイン/アウトなど)やベースのライン/アンプ録音など、複数マイク・ラインの重ね合わせ時に Ø ボタンを押して位相を反転させ、低域の量感や音の太さを確認するのに便利です。 - バイパス操作について:
ZEROLINE 本体には BYPASS ボタンを設けていません。プラグインの効果をバイパスして比較したい場合は、DAW 側のトラックエフェクトスロットにあるバイパス機能をご利用ください。 - MATCH を使った聴き比べ(Pro 版のみ):
エフェクト前後の MATCH を行うことで、「音量が上がったことで音が良くなったように感じる」思い込みを避けられます。聴き比べるときはエフェクトと OUT 側の ZEROLINE Pro を同時にバイパスしてください。 - DAW サンドボックス設定の確認(Pro 版のみ):
MATCH や LEARN ALL を使用した際にNO PARTNERとなる場合は、DAW 側のプラグイン設定でサンドボックス(別プロセス実行)が有効になっていないか確認し、同一プロセス内で実行されるように設定を変更してください。Mac では、IN と OUT が同じ形式(AU どうし、または VST3 どうし)になっているかも確認してください。
11. 注意事項
無料版 ZEROLINE
- 本製品はサポートなし・現状渡しの無料配布(フリーウェア)です。
- ソースコードは非公開です。
- 本製品の著作権は Tonecraft Tokyo に帰属します。
- 本製品の改変・リバースエンジニアリング・再配布・転売を禁止します(配布は Tonecraft Tokyo 公式サイトと BOOTH からお願いします)。
- 商用・非商用を問わず無料でご利用いただけます。
ZEROLINE Pro
- 本製品はサポートなし・現状渡しです。
- 返金対応はいたしません。
- ソースコードは非公開です。
- 本製品の著作権は Tonecraft Tokyo に帰属します。
- 本製品の再配布・転売・改変・リバースエンジニアリングを禁止します。
- 購入者本人のみ使用可能です。第三者への譲渡・共有は禁止します。
12. 免責事項
- 本製品は現状有姿(AS IS)で提供されます。明示・黙示を問わず、商品性、特定目的への適合性、第三者の権利を侵害しないことを含め、いかなる保証も行いません。
- 本製品の使用または使用不能によって生じたいかなる損害(プロジェクトファイルやオーディオデータの消失・破損、機材の不具合、作業時間の損失、逸失利益などを含み、これらに限りません)についても、Tonecraft Tokyo は一切の責任を負いません。
- すべての DAW・OS・ハードウェアの組み合わせでの動作は保証しません。
- 本製品は予告なく仕様変更・提供終了する場合があります。
- ご利用は自己責任でお願いします。重要な作業の前にはプロジェクトのバックアップを取ってください。
13. ライセンス表記
- VST is a trademark of Steinberg Media Technologies GmbH.
- 本製品は JUCE を使用しています。
