Tonecraft Tokyo — VST3 Plugin / Standalone App

SQUELCRUDE

ユーザーマニュアル — v1.0.0

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SQUELCRUDE は、TB-303 系のうねるベースラインに特化したモノフォニック・アシッドベースシンセです。強烈なレゾナンスとフィルターエンベロープ、スライドとアクセント、そしてキー/スケールを指定できるステップシーケンサーを備えています。ベースラインだけでなく、リード、ドローン、飛び道具系の効果音にも使えます。

1. クイックスタート

  1. DAW のインストゥルメントトラックに SQUELCRUDE を立ち上げます(DAW を使わない場合はスタンドアロン版を起動します)。
  2. 画面上部のプリセットバーで音色を選びます。まずは 01 ACID RIFF 303 から。
  3. 鍵盤を弾いて音を確認します。低めの音域(C1〜C3 あたり)が本領です。
  4. FILTER の CUTOFF と RESO を回してみてください。アシッドの「うねり」はこの 2 つで作ります。
  5. ACID の DECAY と FILTER の ENV MOD を動かすと、うねりの速さと深さが変わります。
  6. フレーズを自動で作りたいときは、画面最下段の SEQUENCER で SEQ ON を押し、RANDOMIZE を押してから鍵盤を押し続けてください。

2. 画面構成

OSCILLATOR

  • 音の素材を作る区画です。OSC A と OSC B の 2 基に加え、1 オクターブ下の SUB を持ちます。
  • 波形は SAW / SQR / PLS / TRI から選べます。アシッドらしさは SAW と SQR で出ます。
  • SUB は独立した音源です。A と B のレベルを 0 にしても SUB が鳴ります。低域の芯を足したいときに上げてください。

FILTER

  • この製品の心臓部です。CUTOFF で明るさ、RESO でクセの強さを決めます。
  • RESO を上げきると、音を入れなくてもフィルターだけが「ピー」と鳴り出します(自励発振)。これは仕様です。30 DRONE はこれを積極的に使った音色です。
  • ENV MOD はフィルターエンベロープの深さです。ここが 0 だと普通のベースシンセ、上げるほどアシッドになります。
  • DRIVE はフィルター内部での歪みです。レゾナンスの効き方は変えずに、質感だけを太くします。
  • フィルタータイプは LP24 / LP12 / BP / HP から選べます。

ACID

  • アシッド特有の表情を作る区画です。
  • DECAY はフィルターのうねりが落ちる速さ、ACCENT は強く弾いたときの派手さ、SLIDE は音程が滑る時間、VEL→CUT はタッチで明るさが変わる量です。
  • アクセントは強く弾いた音(ベロシティ 110 以上)に効きます。連続して強く弾くと、だんだん暴れていきます。
  • SLIDE は音を重ねて弾いたとき(レガート)に効きます。ALWAYS にすると常に滑ります。

MASTER

  • TONE は全体の明暗、VOLUME は出力レベル、PAN は定位です。右側の縦メーターで出力を確認できます。
  • BYPASS は出力を止めます。DAW 側のバイパスボタンとも連動します。

AMP ENVELOPE

  • 音量の時間変化です。SUSTAIN を 0 にすると歯切れのよいプラック、上げると持続音になります。

LFO

  • 周期的な揺れを加えます。→CUTOFF でフィルターに、→PITCH で音程に効きます。
  • SYNC を押すと、RATE が DAW のテンポに同期した音価になります。
  • DELAY は音を弾いてから揺れが立ち上がるまでの時間です。

DISTORTION

  • フィルターの後段で歪ませます。OD は太らせる方向、HARD は攻撃的、FUZZ は潰れた質感です。
  • MIX を下げると原音と混ざります。芯を残したまま歪ませたいときに使ってください。

SEQUENCER

  • 16 ステップのシーケンサーです。SEQ ON を押して鍵盤を押し続けると、その音を起点にフレーズが回ります。
  • RANDOMIZE を押すと、選んだスケールの中だけでフレーズが自動生成されます。生成後は手で直せます。
  • グリッドの操作: 上段を上下にドラッグすると音程、ACC をクリックでアクセント、SLD でスライド、GATE で「発音 → タイ → 休符」の切り替えです。
  • ステップは音程そのものではなく音階の度数で保持されるため、弾く音を変えるとフレーズごと移調されます。
  • LENGTH はループするステップ数、RATE は 1 ステップの長さ、SWING は裏拍のもたつき、RANGE は自動生成でオクターブがどこまで跳ぶかです。
  • グリッド右上の NOTE / MOD でグリッドの表示を切り替えます。MOD 側はステップごとに明るさを描くレーンです。

ステップごとに明るさを変える(MOD レーン)。
MOD タブに切り替えると、ステップごとに上下へドラッグしてカットオフの上げ下げを描けます。横に引きずれば連続して入力でき、ダブルクリックでそのステップを中立(変化なし)に戻します。
描いた量がどれだけ効くかは、右側の CUT DEPTH で決めます。CUT DEPTH が 0 のままだと、レーンを描いても音は変わりません。まず CUT DEPTH を上げてから描いてください。
レーンの内容は曲(プロジェクト)と一緒に保存されます。RANDOMIZE を押してもレーンは消えません。

表示サイズ

  • 画面の背景を右クリックすると、表示倍率を 75% / 85% / 100% から選べます。画面の狭いノート PC で全体が入りきらないときに使ってください。
  • 選んだ倍率は曲(プロジェクト)と一緒に保存され、次に新しく立ち上げたときにも引き継がれます。

キーの合わせ方が 2 通りあります。
ROOT は、弾いた音がそのままトニックになります。どの音を弾いても同じ響きのリフが出るので、キーを気にせずアイデアを出したいときに向きます。
KEY は、KEY と SCALE で使う音を先に固定し、弾いた音はフレーズの開始位置になります。曲のキーから外れないので、コード進行に合わせて弾くときはこちらです。たとえばキーを A、スケールを MINOR にしておけば、C を弾いても A マイナーの音だけが鳴ります。

MORPH

  • 画面上部、プリセットバーの右にある区画です。2 つの音色を保存して、その間を連続的に行き来できます。
  • SET A で今の音色を A に、SET B で B に保存します。保存されたボタンは点灯し、A は紫、B はピンクで示されます。
  • 両方が点灯すると、スライダーで A と B の間を移動できます。つまみが実際に動くので、途中で気に入った状態をそのまま手で直せます。
  • 点灯しているボタンをもう一度押すと、その端を破棄します。片方でも欠けている間、スライダーを動かしても音は変わりません。

A と B は別々のプリセットから取れます。A を保存 → 別のプリセットを読み込む → B を保存、という手順が使えます。プリセットを読み込んでも保存済みの A / B は消えません。
保存の扱いも 2 つで違います。A / B は曲(プロジェクト)と一緒に保存され、次に開いたときも残っています。プリセットには含まれません。

3. パラメータ詳細

CUTOFF(FILTER)

フィルターが音を削り始める位置です。下げるほど暗くこもり、上げるほど明るくなります。アシッドのうねりは、ここを起点にエンベロープが上方向へ動くことで生まれます。

  • 低めに設定してから ENV MOD を上げると、うねりの幅が大きくなります。
  • デフォルト: 800 Hz

RESO(FILTER)

カットオフ付近を強調します。上げるほどクセが強く、アシッドらしい鋭さが出ます。

  • 上げきるとフィルター自体が発振して、音を入れなくても鳴り続けます。止めたいときは下げてください。
  • デフォルト: 55 %

ENV MOD(FILTER)

フィルターのうねりの深さです。この製品の性格を決める最重要パラメータです。

  • 0 % で普通のベースシンセ、上げるほど 303 らしくなります。
  • デフォルト: 60 %

DECAY(ACID)

うねりが落ちる速さです。短いほど歯切れよく、長いほど粘ります。

  • 16 分音符のフレーズなら 150〜300 ms あたりが扱いやすい範囲です。
  • デフォルト: 250 ms

ACCENT(ACID)

強く弾いた音がどれだけ派手になるかです。音量・明るさ・歯切れが同時に変わります。

  • 連続して強く弾くと効果が積み上がり、だんだん暴れます。16 分の連打で表情が出ます。
  • デフォルト: 60 %

SLIDE(ACID)

音程が滑る時間です。音を重ねて弾いたときに効きます。

  • SLIDE MODE を ALWAYS にすると、重ねなくても常に滑ります。
  • デフォルト: 60 ms

KEY TRACK(FILTER)

弾く音の高さに応じてフィルターの明るさを追従させます。OFF / 50% / 100% の 3 段階です。

  • 低い音域で高域が耳につく場合は 100% にしてください。低音がぐっと落ち着きます。
  • デフォルト: 50%

CUT DEPTH(SEQUENCER)

MOD レーンに描いた明るさの変化を、どれだけ効かせるかです。

  • 0 のままだとレーンを描いても音は変わりません。上げるほど、ステップごとの明暗差が大きくなります。
  • デフォルト: 0 %

SCALE / KEY / ROOT・KEY モード(SEQUENCER)

フレーズが使う音を決めます。RANDOMIZE はここで指定した音階の中からだけ音を選びます。

  • ROOT: 弾いた音がトニックになります。
  • KEY: KEY と SCALE で音を固定し、弾いた音は開始位置になります。曲のキーから外れません。
  • デフォルト: MINOR / C / ROOT

SCALE は 12 種類から選べます。

  • 教会旋法系: MINOR / MAJOR / DORIAN / PHRYGIAN / MIXOLYDIAN
  • マイナー変化形: HARM MINOR(ハーモニックマイナー) / MEL MINOR(メロディックマイナー) / PHRYG DOM(フリジアンドミナント。スパニッシュな響きで、アシッドやサイケ系のリフに向きます)
  • ペンタトニック・ブルース: PENT MIN(マイナーペンタ) / PENT MAJ(メジャーペンタ) / BLUES
  • 制限なし: CHROMATIC(半音すべて。フレーズが調から外れます)

DENSITY / ACCENT / SLIDE(SEQUENCER)

フレーズの傾向です。音の詰まり具合、アクセントの出やすさ、スライドの出やすさを決めます。

  • 回すとその場でフレーズが作り直されます。RANDOMIZE を押し直す必要はありません。同じフレーズの傾向だけが変わっていくので、耳で聴きながら詰められます。
  • そのため、手で編集したステップはこの 3 つを回した時点で置き換わります。手直しは傾向を決めたあとに行ってください。
  • デフォルト: 75 % / 30 % / 25 %

MORPH(画面上部)

保存した 2 つの音色 A / B の間を移動します。移動すると画面のつまみそのものが動きます。

  • 対象は連続的に変わるつまみ類だけです。波形やフィルタータイプのような切り替え式のものは動きません。途中で選んでいない設定を通過してしまうためです。
  • SEQUENCER の設定は対象外です。音色だけが移動し、演奏中のフレーズは変わりません。
  • 端(0 % または 100 %)に止めたままつまみを回して調整すると、その調整はその端に取り込まれます。SET を押し直す必要はありません。これはスライダーを手で動かしたときの動作です。オートメーションの再生中は取り込まれないので、保存した A / B が再生のたびに書き換わることはありません。
  • DAW のオートメーションに書けます。MORPH の動きをそのまま記録・再生できます。再生中は画面のつまみも一緒に動きます。ただし MORPH が動かすつまみに個別のオートメーションも書いていると、同じつまみを 2 か所から動かすことになります。どちらが優先されるかは DAW によるので、どちらか一方にしてください。
  • デフォルト: 0 %(A / B とも未保存)

4. 推奨設定

定番のアシッドリフ

OSC A WAVE: SAW
CUTOFF:     400 Hz
RESO:       75 %
ENV MOD:    70 %
ACID DECAY: 220 ms
ACCENT:     80 %
AMP SUSTAIN: 0 %

沈むサブベース

OSC A LEVEL: 60 %
SUB:         90 %
CUTOFF:      200 Hz
RESO:        20 %
ENV MOD:     20 %
KEY TRACK:   100%
DIST TYPE:   OFF

曲に合わせて自動でフレーズを回す

SEQ ON:      オン
ROOT/KEY:    KEY
KEY:         曲のキー
SCALE:       MINOR
RATE:        1/16
DENSITY:     75 %

2 つの音色を行き来する(MORPH)

1. 暗い音を作る(CUTOFF 低め / RESO 低め)→ SET A
2. プリセットを切り替えるか、そのまま明るい音へ
   (CUTOFF 高め / RESO 高め / DIST AMOUNT 多め)→ SET B
3. MORPH スライダーを 0 % → 100 % へゆっくり動かす

曲の展開に合わせて手で動かす使い方のほか、途中で止めて「A と B の中間の音」を新しい出発点にする使い方もできます。中間で気に入ったら、そのままプリセットとして保存できます。

低い音域で高域が耳につく場合は、KEY TRACK を 100% にしてください。弾く音が低いほどフィルターも一緒に下がるので、低音だけが刺さる状態を避けられます。09 DEEP SUB / 10 MUTED BASS / 03 TB CLASSIC はこの設定になっています。

5. 動作環境

項目 内容
OS Windows 10 / 11 x64
形式 VST3 プラグイン / スタンドアロン
対応 DAW VST3 に対応した DAW(Ableton Live で動作確認)
発音数 モノフォニック(同時に 1 音)
サンプルレート 44.1 kHz 〜 192 kHz
レイテンシー 音質のためにわずかな遅延が発生します。DAW へ自動で報告されるため、録音位置はずれません
ウィンドウサイズ 1100 × 864 px(表示倍率 75% / 85% / 100% を背景の右クリックで切り替え)

6. インストール・アンインストール

インストール

  1. ZIP を解凍します。
  2. SQUELCRUDE.vst3 フォルダを C:\Program Files\Common Files\VST3\ へコピーします。
  3. DAW を起動し、プラグインを再スキャンしてください。
  4. スタンドアロンで使う場合は SQUELCRUDE.exe をそのまま起動します。初回はオーディオデバイスと MIDI 入力の設定が必要です。

アンインストール

C:\Program Files\Common Files\VST3\SQUELCRUDE.vst3 フォルダを削除してください。設定・ユーザープリセットを完全に消す場合は %APPDATA%\Tonecraft Tokyo\SQUELCRUDE\ も削除します。

7. トラブルシューティング

  • DAW にプラグインが出てこない
    • コピー先が C:\Program Files\Common Files\VST3\ になっているか確認し、DAW のプラグイン再スキャンを実行してください。DAW を起動したままコピーすると反映されないことがあります。
  • 初回起動時に警告が出る
    • コード署名をしていないため、Windows の SmartScreen が表示されることがあります。「詳細情報」→「実行」で起動できます。
  • 音が出ない
    • BYPASS がオンになっていないか、MASTER VOLUME が下がりきっていないかを確認してください。スタンドアロンの場合はオーディオデバイスと MIDI 入力の設定も確認してください。
  • 鍵盤を離しても音が鳴り続ける
    • RESO を上げきるとフィルターが自励発振し、入力がなくても鳴り続けます。RESO を下げてください。
  • OSC A と OSC B のレベルを 0 にしても音が出る
    • SUB は独立した音源です。こちらも 0 にしてください。
  • シーケンサーのフレーズが曲のキーに合わない
    • ROOT/KEY を KEY に切り替え、KEY と SCALE を曲に合わせてください。ROOT のままだと、弾いた音がそのままトニックとして扱われます。
  • プリセットを変えてもシーケンサーの設定が変わらない
    • 仕様です。プリセットは音色、シーケンサーは演奏の設定として分けています。演奏中に音色を変えてもフレーズは止まりません。
  • MOD レーンを描いても音が変わらない
    • CUT DEPTH が 0 になっています。CUT DEPTH を上げてください。レーンは「どれだけ変えるか」を描くもので、効き量はこのスライダーが決めます。
  • MORPH のスライダーを動かしても何も変わらない
    • SET A と SET B の両方が点灯している必要があります。片方だけでは移動する相手がいないため、何も起こりません。
  • MORPH を動かしても SEQUENCER のつまみが動かない / 波形が切り替わらない
    • 仕様です。MORPH が動かすのは音色側の連続的なつまみだけで、SEQUENCER の設定と切り替え式のもの(波形・フィルタータイプなど)は対象外です。
  • MORPH のオートメーションを再生すると、個別に書いたつまみのオートメーションが効かない
    • 同じつまみを MORPH と個別レーンの 2 か所から動かしています。MORPH は音色側のつまみをまとめて動かすので、その中のつまみに個別のオートメーションを重ねると取り合いになります。どちらか一方にしてください。

8. 注意事項

  • 本製品はサポートなし・現状渡しの無料配布(フリーウェア)です。
  • ソースコードは非公開です。
  • 本製品の著作権は Tonecraft Tokyo に帰属します。
  • 本製品の改変・リバースエンジニアリング・再配布・転売を禁止します(配布は Tonecraft Tokyo 公式サイトからお願いします)。
  • 商用・非商用を問わず無料でご利用いただけます。
  • 本製品は JUCE を使用しています。

9. 免責事項

  • 本製品は現状有姿(AS IS)で提供されます。明示・黙示を問わず、商品性、特定目的への適合性、第三者の権利を侵害しないことを含め、いかなる保証も行いません。
  • 本製品の使用または使用不能によって生じたいかなる損害(プロジェクトファイルやオーディオデータの消失・破損、機材の不具合、作業時間の損失、逸失利益などを含み、これらに限りません)についても、Tonecraft Tokyo は一切の責任を負いません。
  • すべての DAW・OS・ハードウェアの組み合わせでの動作は保証しません。
  • 本製品は予告なく仕様変更・提供終了する場合があります。
  • ご利用は自己責任でお願いします。重要な作業の前にはプロジェクトのバックアップを取ってください。