Tonecraft Tokyo — VST3 Plugin

SNAREGRAFT

ユーザーマニュアル — v1.0.0

公式サイト ↗

SNAREGRAFT は、手持ちのスネア 1 枚に、合成レイヤーと響き線を接ぎ木して鳴らすスネア音源。

1. クイックスタート

  1. VST3 をインストールし、DAW でトラックに挿入します。
  2. MIDI ノートを送るか、画面上の PLAY ボタンを押して音を鳴らします。
  3. 気に入ったスネアの音声ファイル (wav / aiff / flac / mp3) を波形エリアにドロップします。
  4. FLUX セクションで一発ごとの揺れを調整します。

2. 画面構成

SAMPLE

  • ユーザーが持ち込むスネア素材を読み込む層です。合成層だけで鳴らすことも可能です。

BODY

  • 胴鳴りの基本トーンを合成する層です。

WIRES

  • 響き線の鳴りを合成する層です。

STICK

  • 打撃音の鋭さを合成する層です。

BUZZ

  • 他レイヤーの合成出力を受けて響き線の共鳴を付加する層です。弱く叩くと響き線が反応しないなど、実機のような挙動を再現する、本製品の中心機能です。

FLUX

  • 一発ごとの音程・長さ・明るさ・鳴るタイミング・響き線の当たり方のばらつきを調整します。同じクリップを再生すれば何度でも同じ揺れが再現されます。
  • ばらつきの軸は 8 本あり、FLUX ノブ 1 本でまとめて動きます。8 本のバーはその結果を表示していて、バーを直接ドラッグするとその軸だけ手動になります(色が明るく変わります)。↺ AXES を押すと全部の軸が FLUX ノブ任せに戻ります。

WEAR

  • 叩き続けるとスネアが少しずつくたびれていく摩耗をシミュレートします。トランスポートを止めると元に戻ります。

OUTPUT

  • ドライブ、トランジェント、EQ、ルームリバーブなど、最終的な仕上げを行うセクションです。

3. パラメータ詳細

FLUX セクション

  • Repeat Mode (LOCKED / EVOLVE / FREE)
    フラクタルの反復モード。LOCKEDは固定、EVOLVEは徐々に変化、FREEは再生に非依存
    デフォルト: EVOLVE
  • Global Seed (0 .. 9999)
    乱数のシード値。同じ値なら同じ振る舞いになる
    デフォルト: 0
  • Flux (0.0 .. 100.0)
    一発ごとのばらつきの量。8 本の軸をまとめて動かす
    デフォルト: 25.0

以下の 8 本は、その軸を手動にしたとき(バーをドラッグしたとき)だけ使われます。手動にしていない軸は上の Flux が決めます。

  • Flux Pitch (0.0 .. 100.0)
    ピッチのばらつき量
    デフォルト: 13.75
  • Flux Decay (0.0 .. 100.0)
    減衰時間のばらつき量
    デフォルト: 10.0
  • Flux Tone (0.0 .. 100.0)
    音色の明るさのばらつき量
    デフォルト: 13.75
  • Flux Level (0.0 .. 100.0)
    音量のばらつき量
    デフォルト: 22.5
  • Flux Attack (0.0 .. 100.0)
    立ち上がりのばらつき量
    デフォルト: 8.75
  • Flux Pan (0.0 .. 100.0)
    左右の定位のばらつき量
    デフォルト: 7.5
  • Flux Timing (0.0 .. 100.0)
    発音タイミングのばらつき量
    デフォルト: 25.0
  • Flux Wires (0.0 .. 100.0)
    響き線の鳴りのばらつき量
    デフォルト: 21.25
  • Flux Pitch Manual (false / true)
    ピッチのばらつき量を手動で設定する
    デフォルト: false
  • Flux Decay Manual (false / true)
    減衰時間のばらつき量を手動で設定する
    デフォルト: false
  • Flux Tone Manual (false / true)
    音色のばらつき量を手動で設定する
    デフォルト: false
  • Flux Level Manual (false / true)
    音量のばらつき量を手動で設定する
    デフォルト: false
  • Flux Attack Manual (false / true)
    立ち上がりのばらつき量を手動で設定する
    デフォルト: false
  • Flux Pan Manual (false / true)
    左右の定位のばらつき量を手動で設定する
    デフォルト: false
  • Flux Timing Manual (false / true)
    発音タイミングのばらつき量を手動で設定する
    デフォルト: false
  • Flux Wires Manual (false / true)
    響き線の鳴りのばらつき量を手動で設定する
    デフォルト: false
  • Timing Mode (STUDIO / LIVE)
    タイミング処理のモード。STUDIOは正確、LIVEは低遅延
    デフォルト: STUDIO

WEAR セクション

  • Wear (0.0 .. 100.0)
    摩耗による音質変化の深さ。時間経過で徐々に音が暗くなる
    デフォルト: 0.0
  • Wear Span (4 .. 128)
    摩耗が進みきるまでの小節数
    デフォルト: 32
  • Wear Reset On Stop (false / true)
    トランスポート停止時に摩耗状態をリセットする
    デフォルト: true

BODY セクション

  • Body Tune (100.0 .. 500.0)
    胴鳴りの基音周波数
    デフォルト: 185.0
  • Body Detune (0.0 .. 12.0)
    胴鳴りの倍音のデチューン量
    デフォルト: 7.0
  • Body Shape (0.0 .. 1.0)
    胴鳴りの波形の鋭さ。上げると硬い音になる
    デフォルト: 0.25
  • Body Pitch Env (0.0 .. 36.0)
    胴鳴りのアタック時のピッチエンベロープの深さ
    デフォルト: 14.0
  • Body Pitch Time (1.0 .. 60.0)
    胴鳴りのピッチエンベロープの減衰時間
    デフォルト: 12.0
  • Body Attack (0.0 .. 20.0)
    胴鳴りの立ち上がり時間
    デフォルト: 0.0
  • Body Decay (20.0 .. 800.0)
    胴鳴りの減衰時間
    デフォルト: 130.0
  • Body Level (-60.0 .. 6.0)
    胴鳴りの音量
    デフォルト: 0.0
  • SOLO BODY
    胴の音だけを鳴らす。他の層と響き線は黙る

WIRES セクション

  • Wires Tone (0.0 .. 1.0)
    響き線の音色の明るさ
    デフォルト: 0.55
  • Wires Attack (0.0 .. 30.0)
    響き線の立ち上がり時間
    デフォルト: 0.5
  • Wires Decay (30.0 .. 1200.0)
    響き線の減衰時間
    デフォルト: 200.0
  • Wires Level (-60.0 .. 6.0)
    響き線の音量
    デフォルト: -3.0
  • SOLO WIRES
    響き線のノイズ層だけを鳴らす

STICK セクション

  • Stick Snap (0.0 .. 1.0)
    打撃音の鋭さ。上げるとより硬いアタックになる
    デフォルト: 0.6
  • Stick Decay (0.5 .. 20.0)
    打撃音の減衰時間
    デフォルト: 3.0
  • Stick Level (-60.0 .. 6.0)
    打撃音の音量
    デフォルト: -6.0
  • SOLO STICK
    打点の当たりだけを鳴らす。他の層と響き線は黙る

SAMPLE セクション

  • Sample Start (0.0 .. 500.0)
    サンプルの再生開始位置のオフセット
    デフォルト: 0.0
  • Sample Pitch (-24.0 .. 24.0)
    サンプルのピッチ調整
    デフォルト: 0.0
  • Sample Tone (0.0 .. 1.0)
    サンプルの音色の明るさ
    デフォルト: 0.5
  • Sample Attack (0.0 .. 30.0)
    サンプルの立ち上がり時間
    デフォルト: 0.0
  • Sample Decay (10.0 .. 3000.0)
    サンプルの減衰時間
    デフォルト: 3000.0
  • Sample Reverse (false / true)
    サンプルを逆再生する
    デフォルト: false
  • Sample Level (-60.0 .. 6.0)
    サンプルの音量
    デフォルト: 0.0
  • Sample Auto-Tune (false / true)
    サンプルの基音を自動検出し、BODY TUNEに追従させる
    デフォルト: true
  • Sample Embed (false / true)
    読み込んだ素材の音を DAW のプロジェクトに保存する(オフはファイルの場所だけを覚える)
    デフォルト: true
  • SOLO SAMPLE
    読み込んだ素材だけを鳴らす。他の層と響き線は黙る
  • CLEAR
    読み込んだ素材を外す。合成 3 層はそのまま鳴り続ける
  • PLAY
    一発鳴らして確かめる。DAW でノートを送ったときと同じ音が出る

BUZZ セクション

  • Buzz Amount (0.0 .. 100.0)
    共鳴による響き線の鳴りの量
    デフォルト: 35.0
  • Buzz Threshold (-40.0 .. 0.0)
    響き線が反応しはじめる強さ。これより弱い打点では響き線が鳴らない
    デフォルト: -26.0
  • Buzz Tension (0.0 .. 1.0)
    響き線の張り具合。上げると余韻が短くタイトになる
    デフォルト: 0.55
  • Buzz Decay (0.0 .. 600.0)
    響き線の共鳴の減衰時間
    デフォルト: 180.0

OUTPUT セクション

  • Pitch (-24.0 .. 24.0)
    楽器全体の移調。胴と読み込んだ素材に同じだけ掛かる
    デフォルト: 0.0
  • Drive (0.0 .. 100.0)
    サチュレーションによる歪みの深さ
    デフォルト: 15.0
  • Transient Attack (-100.0 .. 100.0)
    アタック部分の強調・抑制
    デフォルト: 0.0
  • Transient Sustain (-100.0 .. 100.0)
    余韻部分の強調・抑制
    デフォルト: 0.0
  • EQ Tilt (-12.0 .. 12.0)
    高域と低域のバランスを傾ける
    デフォルト: 0.0
  • EQ Presence Freq (1500.0 .. 8000.0)
    プレゼンス帯域の周波数
    デフォルト: 3500.0
  • EQ Presence Gain (-12.0 .. 12.0)
    プレゼンス帯域のゲイン
    デフォルト: 0.0
  • Room Size (0.0 .. 1.0)
    部屋の広さ
    デフォルト: 0.35
  • Room Pre-Delay (0.0 .. 80.0)
    初期反射までの遅延時間
    デフォルト: 8.0
  • Room Mix (0.0 .. 100.0)
    リバーブの原音に対するミックス量
    デフォルト: 12.0
  • Output Level (-24.0 .. 12.0)
    最終的な出力音量
    デフォルト: 0.0
  • Velocity Curve (0.0 .. 1.0)
    ベロシティに対する音量変化のカーブ
    デフォルト: 0.5
  • Velocity To Tone (0.0 .. 100.0)
    ベロシティが音色の明るさに与える影響
    デフォルト: 60.0
  • Velocity To Wires (0.0 .. 100.0)
    ベロシティが響き線の鳴りに与える影響
    デフォルト: 70.0
  • Key Track (false / true)
    MIDIノート番号に応じてピッチを変化させる
    デフォルト: false

4. 推奨設定

使い方のヒント

  • S (ソロ) ボタン: 各層の S ボタンを押すと、その 1 層だけを聴くことができます。
  • PLAY ボタン: 一発鳴らして確かめることができます。
  • CLEAR ボタン: 読み込んだ素材を外します。合成 3 層はそのまま鳴り続けます。
  • 波形の表示: 白い線が再生開始位置、オレンジの線が今鳴っている位置を示します。
  • FLUX のバー: 高さがその軸のばらつき量、上に重なる白い線が直前の一発で実際にどれだけずれたかを示します。バーをドラッグするとその軸だけ手動になり、↺ AXES で全軸が FLUX ノブ任せに戻ります。
  • RND ボタン: GLOBAL SEED をランダムな値にします。ばらつきの並びが別物になりますが、音の性格は変わりません。気に入った並びが出たらプリセットとして保存してください。
  • BUZZ のメーター: オレンジのバーが響き線に届いている強さ、白い縦線が BUZZ THRESHOLD の位置です。バーが白い線まで届かない打点では響き線が鳴りません。
  • プリセット: 100 種類をジャンル別に並べてあります。名前の前半がジャンル(TECHNO / HOUSE / POP / FUTURE BASS / TRAP / DNB / LOFI / ROCK / CINEMATIC / INDUSTRIAL)で、同じジャンルは連続して並んでいます。ジャンルの中は上ほどタイトで乾いた音、下ほど大きく余韻のある音です。
  • ロールでピッチを上げる: 同じノートを 16 分などで並べ、PITCH に上昇するオートメーションを描いてください。発音のたびにその時点の値が使われるので、一発ごとに順に高くなります。ノートを階段状に書き換える必要はありません。KEY TRACK をオンにすれば、ノート番号でも同じことができます。
  • EMBED ボタン: オンのままなら素材の音がプロジェクトに残るので、元のファイルを移動しても鳴ります。そのぶんプロジェクトは 1 個あたり 1 MB 弱大きくなります。
  • NO TRANSPORT: DAW のトランスポートが停止している、または位置情報を返さない状態では、フリーランでばらつきが生成されます(この時は再現性がありません)。

5. 動作環境

項目 内容
OS Windows 10 / 11 x64
形式 VST3 のみ
入出力 MIDI ノート入力 / ステレオ出力
画面サイズ 1200 × 750 (固定・リサイズ不可)
読込可能フォーマット wav / aiff / flac / mp3 (3 秒まで)

6. インストール・アンインストール

インストール

  1. ZIP を解凍します。
  2. SNAREGRAFT.vst3 フォルダを次の場所へコピーします:
    C:\Program Files\Common Files\VST3\

アンインストール

コピーした SNAREGRAFT.vst3 フォルダを削除してください。プリセットも削除する場合は %APPDATA%\Snaregraft\Presets\ を削除してください。

7. トラブルシューティング

  • 音が出ない
    • MIDI ノートが入力されているか、または画面上の PLAY ボタンを押して確認してください。また、OUTPUT LEVEL が下がっていないか確認してください。
  • サンプルが読めない / ドロップできない
    • ファイル形式が wav, aiff, flac, mp3 のいずれかであることを確認してください。3 秒を超える部分は読み込まれません。
  • 開き直したらサンプルだけ鳴らない
    • EMBED をオフにして保存した場合、読み込んだファイルが元の場所から移動・削除されていると素材だけが鳴らなくなります(合成 3 層はそのまま鳴ります)。読み込み直すか、EMBED をオンにして保存し直してください。
  • DAW に出てこない
    • VST3 フォルダの正しい位置にインストールされているか確認し、DAW でプラグインの再スキャンを行ってください。

8. 注意事項

  • 本製品はサポートなし・現状渡しの無料配布(フリーウェア)です。
  • ソースコードは非公開です。
  • 本製品の著作権は Tonecraft Tokyo に帰属します。
  • 本製品の改変・リバースエンジニアリング・再配布・転売を禁止します(配布は公式サイトからお願いします)。
  • 商用・非商用を問わず無料でご利用いただけます。

9. 免責事項

  • 本製品は現状有姿(AS IS)で提供されます。明示・黙示を問わず、商品性、特定目的への適合性、第三者の権利を侵害しないことを含め、いかなる保証も行いません。
  • 本製品の使用または使用不能によって生じたいかなる損害(プロジェクトファイルやオーディオデータの消失・破損、機材の不具合、作業時間の損失、逸失利益などを含み、これらに限りません)についても、Tonecraft Tokyo は一切の責任を負いません。
  • すべての DAW・OS・ハードウェアの組み合わせでの動作は保証しません。
  • 本製品は予告なく仕様変更・提供終了する場合があります。
  • ご利用は自己責任でお願いします。重要な作業の前にはプロジェクトのバックアップを取ってください。