Tonecraft Tokyo — VST3 / AU Plugin

VELCANTO / VELCANTO Pro

ユーザーマニュアル — v1.0.0

無料版 VELCANTO(公式サイト) ↗
VELCANTO Pro(BOOTH) ↗

VELCANTO は、歌枠をする配信者の歌声を、専門用語なしのノブで「歌って聴かせる声」にするボーカルプラグインです。話す声のプラグイン VELVOX の姉妹品です。無料版の VELCANTO と、機能を加えた上位版の VELCANTO Pro があります。このマニュアルは両方をまとめて説明しています。Pro 版だけの機能には「Pro 版のみ」と書いてあります。

無料版と Pro 版の違い

機能 VELCANTO(無料) VELCANTO Pro
SHINE「艶」・SPACE「響き」・ECHO「エコー」 ○ ○
OUT メーター・音割れ防止 ○ ○
PITCH「音程を整える」・ROBOT「ケロ」・音程の針 — ○
KEY・AUTO「聞き取る」 — ○
SING「歌う」ボタン — ○
ファクトリープリセット 5 種類 7 種類
自分の設定の保存・書き出し・読み込み — ○
遅延 なし 約 0.03 秒(音程を測るため)
価格・入手先 無料(公式サイト / BOOTH) ¥500(BOOTH)

無料版では、TUNE「音程」の欄と SING ボタンも画面に表示されますが、PRO の印が付いていて操作できません(マウスを乗せると Pro 版の機能の説明が出ます)。

1. 概要

VELCANTO は、歌枠をする配信者のためのボーカルプラグインです。音響の専門知識は要りません。専門用語なしのノブを操作するだけで、歌声を「歌って聴かせる声」に仕上げます。

  • 専門知識不要のシンプルな操作: 難しい音響用語は一切使わず、SHINE「艶」、SPACE「響き」、ECHO「エコー」などのノブで直感的に歌声を仕上げることができます。
  • TUNE「音程」(Pro 版のみ): 外れた音を近い音へ自動で寄せ、安心して歌えるようにサポートします。
  • AUTO「聞き取る」(Pro 版のみ): 曲に合わせて 1 コーラス歌うだけで、曲に使われている音を聞き取って KEY を自動で選びます。
  • SING「歌う」ボタン(Pro 版のみ): 歌うときに点け、曲間のトークでは消して素の声に戻せます。響きとエコーは途中で切れず、自然に鳴り終わります。
  • 遅延なし(無料版): 無料版は遅延がないため、口と声がずれる心配がありません。
  • 軽快な動作: 動作が軽く、配信ソフトと同じ PC で快適に使用できます。
  • 安心の音割れ防止: どこまで回しても音が割れないよう、出口で自動的に抑えています。

2. 動作環境

項目 内容
対応 OS Windows 10 / 11 (64bit)、macOS 11 以降(Apple Silicon / Intel)
プラグイン形式 Windows: VST3 / Mac: VST3・AU
対応ホスト OBS Studio 31.1.1 以降 (64bit、atkAudio Plugin 経由)、または VST3 / AU 対応 DAW
入出力チャンネル モノラル / ステレオ
遅延 無料版: なし
Pro 版: 約 0.03 秒(音程を測るため。遅れは一定で、PITCH を 0 にしても SING を消しても変わりません。DAW には遅れを正しく伝えます)
画面サイズ 720 × 440 px(固定)
画面の言語 日本語 / 英語(OS の表示言語に合わせて切り替わります)

3. インストール

インストール(Windows)

  1. ダウンロードした ZIP ファイルを解凍します。
  2. VELCANTO.vst3(Pro 版は VELCANTO Pro.vst3)フォルダを次の場所へコピーします:
    C:\Program Files\Common Files\VST3\
  3. DAW を起動し、プラグインの再スキャンを実行します(DAW を起動したままコピーすると反映されないことがあります)。

Windows での警告について:
コード署名をしていないため、ZIP のダウンロード時にブラウザが警告を出すことがあります。その場合は保存を許可してください。解凍前に ZIP を右クリック→「プロパティ」を開き、下部に「セキュリティ: このファイルは他のコンピューターから取得した…」と表示されていたら、「許可する」にチェックを入れて OK を押してから解凍してください。

インストール(Mac)

  1. ダウンロードした ZIP ファイルを解凍します。
  2. VELCANTO.vst3 を ~/Library/Audio/Plug-Ins/VST3/ へ、VELCANTO.component を ~/Library/Audio/Plug-Ins/Components/ へコピーします(~ はホームフォルダです。Finder の「移動」メニューから「フォルダへ移動」を選び、パスを貼り付けると開けます。フォルダが存在しない場合は新規作成してください)。Pro 版のファイル名は VELCANTO Pro.vst3 と VELCANTO Pro.component です。
  3. ターミナル(アプリケーション → ユーティリティ → ターミナル)を開き、次の 3 行を 1 行ずつ貼り付けて Return キーを押します。

    無料版:

    cd ~/Library/Audio/Plug-Ins
    xattr -dr com.apple.quarantine VST3/"VELCANTO.vst3"
    xattr -dr com.apple.quarantine Components/"VELCANTO.component"

    Pro 版:

    cd ~/Library/Audio/Plug-Ins
    xattr -dr com.apple.quarantine VST3/"VELCANTO Pro.vst3"
    xattr -dr com.apple.quarantine Components/"VELCANTO Pro.component"
  4. DAW を起動し、プラグインの再スキャンを実行します(DAW を起動したままコピーすると反映されないことがあります。Logic Pro などで AU が一覧に出てこないときは Mac を再起動してください)。

Mac でのセキュリティ警告について:
本プラグインは公証を受けていないため、上記のコマンドを実行しないと macOS が「壊れているため開けません」「開発元を検証できません」と表示し、DAW がプラグインを読み込みません。このコマンドはダウンロードしたファイルに macOS が付ける印を外すものです。アップデートでプラグインを入れ直したときも再実行が必要です。何も表示されなければ成功です。

アンインストール

【Windows】コピーした VELCANTO.vst3(Pro 版は VELCANTO Pro.vst3)フォルダを削除してください。
【Mac】コピーした VELCANTO.vst3 と VELCANTO.component(Pro 版は VELCANTO Pro.vst3 と VELCANTO Pro.component)を削除してください。

4. OBS で使う

OBS は VST3 を直接読めないので、無料の OBS 用プラグイン「atkAudio Plugin」を入れて、その中で VELCANTO を動かします。OBS Studio 31.1.1 以降 (64bit) が必要です。

  1. atkAudio Plugin の配布ページから、お使いの OS 用のインストーラーを入れます。
  2. OBS を起動し、マイクの音声ソースの「フィルタ」を開きます。
  3. 「+」から「atkAudio Plugin Host」を追加します。
  4. 「Open Plugin Settings」を押し、「Options」から「Scan for new or updated VST3 plugins」を選んでプラグインを探させます(初回だけ)。
  5. 一覧から VELCANTO(または VELCANTO Pro)を選んで「Load Plugin」で読み込み、画面を開いてノブを回します。

マイクのフィルタの順番について:
マイクのフィルタの順番は、OBS 標準のノイズ抑制などを使う場合はその後ろに配置します。VELVOX と組み合わせる場合は「ノイズ抑制などの OBS 標準フィルタ → VELVOX → VELCANTO」の順に置きます。VELVOX と併用するときは SHINE を控えめにしてください。

※DAW(Ableton Live など)では普通のエフェクトとしてボーカルトラックに挿して使用します。

5. 画面の見かた

ヘッダー帯(上端)

  • ロゴ & バージョン: ウィンドウ左上にロゴとバージョン表記を表示します。
  • プリセットバー: ロゴの右に配置されています。場面に合わせて選べるプリセットを選択できます。Pro 版では自分の設定を保存・削除でき(SAVE / DEL)、ファイルへの書き出し・読み込みも可能です(拡張子 .velcanto)。KEY と SING はプリセットで変わりません。
  • PRO の印 & SING「歌う」ボタン(Pro 版のみ): ヘッダー右に配置されています。歌うときに点けます(既定で点いています)。消すと素の声に戻ります(曲間のトーク用)。響きとエコーは途中で切れず、自然に鳴り終わります。消しても声の遅れは変わりません。消している間も音程の聞き取り(AUTO)は止まりません。

InfoBar

  • ヘッダーの直下に配置されています。ノブにマウスを乗せると、何が良くなるかを日本語または英語で表示します。

VOICE「歌声を作る」

  • SHINE「艶」: 伴奏に声が埋もれるなら上げます。歌声に艶と張りを足します。ノブの下の「サ行を抑え中」の点が光っている間は、サ行が痛くならないよう自動で抑えています。VELVOX と一緒に使うときは控えめにします。
  • SPACE「響き」: ホールで歌っているような響きを足します。上げるほど広く、長く響きます。
  • ECHO「エコー」: カラオケのエコーです。上げるほど大きく、長く繰り返します。繰り返しにも響きが付きます。

TUNE「音程」(Pro 版のみ)

  • PITCH「音程を整える」: 外れた音を近い音へ寄せます。40 くらいが自然、上げるほどはっきり寄せます。
    • 100 未満では、伸ばしている音のうち、はっきり外れていて、狙った音がはっきりしている音だけを直します。合っている音・短い音・節回しはそのまま残します。伸ばし始めて少ししてから直し始めます(声を遅らせないため、音の頭は直しません)。
    • 隣の音との中間まで外れた音は、どちらを狙ったか分からないので直しません。
    • 上げるほど直す範囲が広がり、100 ですべての音を寄せます。70 を超えるとビブラートも平らにし始め、「直した声」らしくなります。
    • 目安: 上手な人は 20〜40、勧めは 40〜60 です。
  • ROBOT「ケロ」ボタン(PITCH の下): 点けると、音の移り目が段差のように切り替わるケロケロした機械的な声になります(エフェクトとして使う人向け)。消している(既定)と、移り目とビブラートを残したまま自然に寄せます。PITCH 40 以下では違いは出ず、40 を超えたところから差が出ます。
  • 音程の針(PITCH の上、「低い」「高い」): 聞いている人に届く声が、近い音より低いか高いかを示します。PITCH を上げるほど真ん中に寄ります。声が無い間は消えます。
  • KEY: 寄せる先の音を曲の音だけにします。項目は ALL(すべての音・既定)と C / Am、C# / A#m、D / Bm、D# / Cm、E / C#m、F / Dm、F# / D#m、G / Em、G# / Fm、A / F#m、A# / Gm、B / G#m です。手でも選べます。
  • AUTO「聞き取る」: 押して 1 コーラス歌うと、曲に使われている音を聞き取って KEY を自動で選びます(使い方は「7. AUTO の使い方」をご覧ください)。

OUT「声の大きさ」メーター

  • 歌っているときにバーが帯の中に入っていれば、配信で聞きやすい大きさです。
  • どこまで回しても音が割れないよう、出口で自動的に抑えています。

プリセット

場面に合わせて選べるプリセットです。選んだあとにノブを動かしても構いません。KEY と SING はプリセットで変わりません。

プリセット 説明
F01 DEFAULT 迷ったらこれ(既定値)
F02 NATURAL 素の声に近いまま少しだけ整える
F03 BALLAD しっとりした曲、響きを長く
F04 UPTEMPO 速い曲・伴奏が厚い曲、声を前に出す
F05 KARAOKE カラオケのようなエコー
P01 STEADY VOICE Pro 版のみ。音程が安定している人向け、補正を控えめに(PITCH 20)
P02 PITCH ASSIST Pro 版のみ。音程が不安な人向け、しっかり寄せる(PITCH 60)

※Pro 版では自分の設定を保存・削除でき(SAVE / DEL)、ファイルへの書き出し・読み込みも可能です(拡張子 .velcanto)。

6. 使い方

  1. 好きな曲を流して歌いながら、伴奏に声が埋もれるなら SHINE を上げます。
  2. 響きが欲しければ SPACE、カラオケのようなエコーが欲しければ ECHO を上げます。迷ったらプリセットから選びます。
  3. Pro 版: 曲の頭で AUTO を押して歌います。音程が気になるなら PITCH を 40〜60 にします。
  4. Pro 版: 曲間のトークでは SING を消します。
  5. OUT メーターで、歌っているときにバーが帯に入っているか見ます。入らないときはマイク側の入力の大きさを調整します(OBS のミキサーの音量つまみはプラグインより後ろで効くため、ここでは変わりません)。

※既定値は SHINE 40、SPACE 30、ECHO 20 です。Pro 版はさらに PITCH 40、KEY ALL、ROBOT 消、SING 点です。

7. AUTO の使い方(Pro 版のみ)

  1. AUTO を押します。
  2. 曲に合わせて歌います(1 コーラスほど)。
  3. 声のある時間が 20 秒たまると自動で終わり、KEY が曲の音に切り替わります(表示 DONE)。

ポイント:
黙っている時間や間奏は 20 秒に数えません。最長 3 分まで聞きます。押してから 1 分たっても声がほとんど無い(5 秒に満たない)ときは NO VOICE で終わり、KEY は変えません。聞き取り中も今の設定のまま音は出続けます。聞き取り中にもう一度押すと、最初から聞き取り直します。曲を変えたら押し直してください。長調と、同じ音を使う短調(C と Am など)は同じ項目です。歌の音程が曲全体で大きくずれている場合や、1 音ずつばらばらに大きく外す歌では外れることがあります。そのときは KEY を手で選ぶか ALL に戻してください。

状態表示

AUTO ボタンの右に、今の状態を 1 行で表示します。

表示 意味
AUTO, THEN SING 待機中です。押すと聞き取りを始めます。
LISTENING 聞き取り中です。
DONE 終わりました。KEY を設定しました。
NO VOICE 声が足りず、KEY は変えていません。

8. 使い方のヒント

  • 話す声も整えたいときは、姉妹品の VELVOX と組み合わせます。OBS のフィルタは「ノイズ抑制などの OBS 標準フィルタ → VELVOX → VELCANTO」の順に配置します。VELVOX と併用するときは SHINE を控えめにします。
  • 雑音が気になるときは Tonecraft Tokyo の AI ノイズ除去 SILENTIQ(試用版 / 製品版)か、OBS 標準のノイズ抑制と組み合わせます。
  • DAW では普通のエフェクトとしてボーカルトラックに挿して使用します。

9. 注意事項

無料版(VELCANTO)

  • 本製品はサポートなし・現状渡しの無料配布(フリーウェア)です。
  • ソースコードは非公開です。
  • 本製品の著作権は Tonecraft Tokyo に帰属します。
  • 本製品の改変・リバースエンジニアリング・再配布・転売を禁止します(配布は Tonecraft Tokyo 公式サイトと BOOTH からお願いします)。
  • 商用・非商用を問わず無料でご利用いただけます。

Pro 版(VELCANTO Pro)

  • 本製品はサポートなし・現状渡しです。
  • 返金対応はいたしません。
  • ソースコードは非公開です。
  • 本製品の著作権は Tonecraft Tokyo に帰属します。
  • 本製品の再配布・転売・改変・リバースエンジニアリングを禁止します。
  • 購入者本人のみ使用可能です。第三者への譲渡・共有は禁止します。

10. 免責事項

  • 本製品は現状有姿(AS IS)で提供されます。明示・黙示を問わず、商品性、特定目的への適合性、第三者の権利を侵害しないことを含め、いかなる保証も行いません。
  • 本製品の使用または使用不能によって生じたいかなる損害(プロジェクトファイルやオーディオデータの消失・破損、機材の不具合、作業時間の損失、逸失利益などを含み、これらに限りません)についても、Tonecraft Tokyo は一切の責任を負いません。
  • すべての DAW・OS・ハードウェアの組み合わせでの動作は保証しません。
  • 本製品は予告なく仕様変更・提供終了する場合があります。
  • ご利用は自己責任でお願いします。重要な作業の前にはプロジェクトのバックアップを取ってください。

11. ライセンス表記

  • VST is a trademark of Steinberg Media Technologies GmbH.
  • 本製品は JUCE を使用しています。
  • Noto Sans JP / JetBrains Mono — SIL Open Font License 1.1