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Universal Audio の DAW「LUNA」が、LUNA Studio という名前で大きく変わりました。ステム分離、Audio to MIDI、歌詞の書き起こし。新機能はニュースのとおりです。ただ、値段を見る前に確かめておきたいことがあります。LUNA には機能制限のない無料版があります。トラック数の上限もなく、書き出しに透かしも入りません。有料の LUNA Studio が足すのは、その上に乗る3つの層です。

POINT
この記事のポイント
  • DAWとしての動作は無料の LUNA Free と同じです。公式FAQは「録音・アレンジ・ミックスはどちらでも同じように動く」と書いています。トラック数無制限・透かしなし・期限なし
  • 有料版が足すのはExtensions(コンソールとテープ)/UADプラグイン30本とARA 6本/上位のスマート機能の3つです。ステム分離は無料版が4トラック、LUNA Studio が6トラックで、有無ではなく本数の差です
  • 買い方は3通りあります。買い切り199ドル、サブスクの UAD Spark Studio が年149ドル(UADプラグイン70本込み)、UAD Native Pro Bundle とのセットが399ドル。国内では Rock oN が¥32,835で扱っています
判断すべきなのは「LUNA を使うか」ではありません。無料版で最後まで曲が作れる以上、決めるのは「3つの層に3万円強を出すか」だけです。

Quick Reference — 無料版と有料版はどこが違うか

Universal Audio 公式の製品ページとFAQ(英語)を突き合わせたものです。

項目 LUNA Free LUNA Studio
価格 ¥0 199ドル/Rock oN ¥32,835
録音・アレンジ・ミックス 制限なし 同じ
トラック数 無制限 無制限
書き出しの透かし なし なし
ピアノロール あり あり
UADプラグイン 8本(UAD Explore Free) 30本+ARA 6本
テープ Oxide Tape Studer A800/Ampex ATR-102
コンソール/サミング なし API Vision/API Summing
ステム分離 4トラック 6トラック
Audio to MIDI なし あり
歌詞書き起こし/コード抽出 なし あり
ハードウェアインサート なし あり
VST3/AU の読み込み 制限なし 制限なし
対応OS macOS 11以降/Windows 10(64bit)・Windows 11
UA製オーディオIF 不要。任意のインターフェースで動く

無料版の制限を先に確認する

トラック数の上限、書き出しの透かし、30日で止まる試用期間。無料のDAWにありがちな制限は、LUNA Free にはどれもありません。公式FAQが「期限切れの試用期間はなく、書き出しに透かしは入らず、セッションが持てるトラック数に上限はない」と書いています。

付属物も UAD Explore Free としてUADプラグインが8本、テープの Oxide Tape、スケールに追従するピアノロール、起動してすぐ録れる LUNA Play。スマート機能も4トラックまでのステム分離、テンポ検出、音声コマンドでの録音開始、楽器の自動判別までは無料側に入っています。VST3 と AU も制限なく読み込めるので、手持ちのプラグインはそのまま使えます。

LUNA Studio は「使えるようにする」ための出費ではありません。足りないものを足す出費です。

LUNA Studio が足す3つの層

1. LUNA Extensions — プラグインではなくミキサーそのもの

コンソールとテープのエミュレーションが、インサートするプラグインではなくミキサーに組み込まれています。トラックを作った時点でテープを通っていて、バスに立てればコンソールのサミングを通る。卓とテープが先にあって、その上で音を作る順番になります。

同梱されるのは5つです。API Vision Console Channel Strip、API 2500 Bus Compressor、API Summing、Studer A800 Tape Recorder、Ampex ATR-102 Master Tape。

ひとつ注意があります。Universal Audio の紹介文にも国内代理店の商品説明にもNeve の名前が出てきますが、同梱されるExtensionsの一覧に Neve はありません。公式FAQも同梱分を「APIのコンソールとサミング、それに Studer と Ampex のテープ」と書いています。Neve のコンソールやサミングが目的なら、別途の購入になります。

2. スマート機能 — 有無ではなく本数と種類の差

ニュースで目立つのはステム分離ですが、これは無料版にも4トラック版があります。LUNA Studio で増えるのは6トラックへの分割で、ボーカル・ドラム・ベース・ギター・ピアノ・その他まで分かれます。ギターとピアノが独立するかどうかが4と6の差です。

有料版だけの機能はこちらです。

  • Audio to MIDI — 録った演奏をMIDIに変換して、別の音源に差し替える
  • 歌詞書き起こし — 波形ではなく歌詞でセッション内を移動する
  • コード抽出 — オーディオからコードを検出してコードトラックに並べる
  • ハードウェアインサート — 外部の実機をプラグインのようにインサートする。遅延補正とプリセット保存つき

歌詞書き起こしとコード抽出は、公式が Moises の技術で動いていると明記しています。Moises 単体のサービスについては料金と無料プランの制限をまとめた記事があります。すでに契約している人は、同じことをDAWの中でやるために追加で払う形になるので、重複を確認してください。

3. プラグイン30本とARAツール6本

LUNA Studio に付くUADプラグインは、他社DAWの付属プラグインとは扱いが違います。単体ライセンスとして渡されるので、LUNA の外でも使えます。Apollo や UAD-2 を持っている場合は、ネイティブ版とDSP版の両方のライセンスが出ます。

区分 内容
チャンネルストリップ/EQ API Vision Channel Strip Collection、Century Tube Channel Strip、Pultec Passive EQ Collection
コンプ/リミッター Teletronix LA-2A、1176 FET Compressor、Fairchild Limiter Collection、API 2500
テープ/サチュレーション Vibe Analog Machines、Oxide Tape、Studer A800、Ampex ATR-102
空間系 Brigade Chorus、Studio D Chorus、Waterfall Rotary Speaker、Pure Plate Reverb、Galaxy Tape Echo
ギターアンプ Showtime ’64、Ruby ’63 Top Boost、Woodrow ’55
音源・MIDI Opal、Waterfall B3、Ravel、PolyMAX、Synthesizer V Studio 2 Core、Celemony Tonalic Essential、ARTnic ChordAXE Lite
ARAツール Melodyne essential、Topline Vocal Tune、Noiseworks VoiceAssist Basic、SpectraLayers Go、WaveLab Go

ARAツールはタイムライン上で直接開きます。ピッチを直すために書き出して読み込み直す往復がなくなります。マスタリングの WaveLab Go と修復系の SpectraLayers Go も入っているので、DAWの外に出る場面自体が減ります。

買い方は3通り

買い方 価格 UADプラグイン やめたとき
LUNA Studio(買い切り) 199ドル 30本 ずっと使える
UAD Spark Studio(サブスク) 年149ドル(前払い) 70本+新製品も追加 使えなくなる
LUNA Studio + UAD Native Pro Bundle 399ドル
(個別購入なら798ドル)
UADネイティブ全部 ずっと使える

1年だけで見ると、サブスクのほうが安くてプラグインも多い。ただし解約するとLUNA Studio自体が使えなくなります。公式FAQが「契約が続いている間だけ使える」と書いているとおりです。セッションを何年も開き直す前提なら買い切り、UADのプラグインを広く試したい期間があるならサブスク、という切り分けになります。

国内での買い方は2つあります。Rock oN のダウンロード版が2026年9月時点で¥32,835、Plugin Boutique が¥34,111。どちらもメールやマイページでのシリアル納品です。

LUNA Pro 1.0/2.0 を持っている人にはアップグレード版があります。ここは店で条件が変わります。Rock oN は¥13,035ですが2026年9月時点で取り寄せ扱い、Plugin Boutique は¥13,580でそのまま買えます。

LUNA Studio
Universal Audio
¥32,835
ダウンロード版Mac / Windows買い切り
シリアル納品後は返品もキャンセルもできません。先に無料の LUNA Free で操作感を確かめてから買うほうが安全です。

買う前に確認しておくこと

  • iLokアカウントが要ります。ただしUSBキーは不要で、パソコン本体に認証できます。アカウント作成は無料です
  • Extensions は LUNA の中でしか使えません。公式が「LUNA専用」と明記していて、VST・AU・AAX としては提供されません。他のDAWでAPI卓を使う用途には向きません
  • AAX には対応していません。LUNA が読めるのは VST3 と AU です。Pro Tools 用に買い集めたAAXのみのプラグインは持ち込めません
  • Apollo や Volt を持っていると連携は深くなりますが、必須ではありません。手持ちのインターフェースで動きます
  • 通販サイトの検索には旧称の「LUNA Pro 2.0」が残っています。2026年9月時点で楽天市場に並んでいるのは LUNA Pro 2.0 のほうで、LUNA Studio は出てきません。買うときは名称を確認してください
  • 日本語UIについては、公式にも国内販売ページにも記載が見つかりませんでした。英語のまま使う前提で考えておいたほうが確実です
判断はミックスの入口をどこに置きたいかで分かれます。卓とテープを通った音から始めたい人、外部の実機をインサートしたい人、UADのプラグインを単体ライセンスで揃えたい人には、3万円強の中身があります。曲を書いて録って書き出すまでが目的なら、LUNA Free で足ります。足りなくなってから買っても、セッションはそのまま開きます。

他のDAWと並べて検討しているなら、人気DAW 5製品を比較した記事も参考にしてください。

LUNA Studio の在庫と価格を確認する

Rock oNで LUNA Studio を見る

※ 掲載価格は2026年9月時点のものです。ドル建て価格は Universal Audio 公式ストア、円建て価格は Rock oN と Plugin Boutique の販売ページで確認しました。機能の内訳は Universal Audio 公式の LUNA Studio/LUNA Free 製品ページおよびFAQ(英語)と、Rock oN の製品説明に基づきます。購入前に各販売ページで最新の情報をご確認ください。