ENCOREHALL / ENCOREHALL Pro
ユーザーマニュアル — v1.0.0
ENCOREHALL は、歌枠をする配信者の歌声を、本物の会場で歌っているような響き(リバーブ)で包むボーカルプラグインです。無料版の ENCOREHALL と、機能を加えた上位版の ENCOREHALL Pro があります。このマニュアルは両方をまとめて説明しています。Pro 版だけの機能には「Pro 版のみ」と書いてあります。
無料版と Pro 版の違い
| 機能 | ENCOREHALL(無料) | ENCOREHALL Pro |
|---|---|---|
| SPACE「響きの量」・SIZE「広さ」・TONE「明るさ」・ECHO「エコー」 | ○ | ○ |
| TALK ボタン・OUT メーター・音割れ防止・遅延なし | ○ | ○ |
| 場面 STUDIO / KARAOKE / LIVE / HALL | ○ | ○ |
| 場面 CATHEDRAL / DREAM | — | ○ |
| CLEAR「声を優先」 | — | ○ |
| ファクトリープリセット | 14 種類 | 20 種類 |
| 自分の設定の保存・書き出し・読み込み | — | ○ |
| 価格・入手先 | 無料(公式サイト / BOOTH) | ¥500(BOOTH) |
無料版では、CATHEDRAL・DREAM のボタンと CLEAR のノブに「PRO」の印が付き、操作できない状態で表示されます。
1. 概要
ENCOREHALL は、歌枠をする配信者のためのボーカルプラグインです。難しい音響の専門用語は一切使わず、直感的な操作で歌声を華やかな空間の響きで包み込みます。
- 場面から選ぶ響き: スタジオ、カラオケ、ライブハウス、ホールの4場面(Pro 版は大聖堂、夢の中を加えた6場面)を用意。曲の雰囲気に合わせた空間をワンクリックで選べます。
- 歌詞がぼやけない(CLEAR ノブ・Pro 版のみ): 歌っている間は響きとエコーの返りを自然に下げ、息継ぎや歌い終わりでふわりと広げます。響きを豊かにしても歌詞が埋もれません。
- 専門用語なしの直感操作: SPACE(響きの量)、SIZE(広さ)、TONE(明るさ)、ECHO(エコー)、CLEAR(声を優先)のノブ(無料版は CLEAR を除く4つ)で思いどおりに音を作れます。
- 雑談に便利な TALK ボタン: ボタンを押して ON にしている間は、響きとエコーに新しい声が送られなくなります。すでに鳴っている響きは自然に消えていくため、歌い終わりの余韻を保ちながらスムーズに雑談へ移れます。
- プリセットと保存機能: 歌枠ですぐに使えるプリセットを収録(無料版は14種類、Pro 版は20種類)。Pro 版では、自分好みに調整した設定に名前を付けて保存・書き出し・読み込みができます。
- 遅延なし: 処理による遅延がないため、口と声がずれる心配がありません。
- 軽い動作: 配信ソフトと同じ PC で動かせるよう、軽く作っています。
- 安心の音割れ防止: どこまでノブを回しても音が割れないよう、出口で自動的に抑えています。
2. 動作環境
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対応 OS | Windows 10 / 11 (64bit)、macOS 11 以降(Apple Silicon / Intel) |
| プラグイン形式 | Windows: VST3 / Mac: VST3・AU |
| 対応ホスト | OBS Studio 31.1.1 以降 (64bit、atkAudio Plugin 経由)、または VST3・AU 対応 DAW |
| 入出力チャンネル | モノラル / ステレオ |
| 遅延 | なし(口と声がずれません) |
| 画面サイズ | 800 × 488 px(固定) |
| 画面の言語 | 日本語 / 英語(OS の表示言語に合わせて切り替わります) |
3. インストール
インストール(Windows)
- ダウンロードした ZIP ファイルを解凍します。
ENCOREHALL.vst3(Pro 版はENCOREHALL Pro.vst3)フォルダを次の場所へコピーします:
C:\Program Files\Common Files\VST3\- DAW や配信ソフト(OBS)を起動し、プラグインの再スキャンを実行します(起動したままコピーすると反映されないことがあります)。
Windows での警告について:
コード署名をしていないため、ZIP のダウンロード時にブラウザが警告を出すことがあります。その場合は保存を許可してください。解凍前に ZIP を右クリック→「プロパティ」を開き、下部に「セキュリティ: このファイルは他のコンピューターから取得した…」と表示されていたら、「許可する」にチェックを入れて OK を押してから解凍してください。
インストール(Mac)
- ダウンロードした ZIP ファイルを解凍します。
ENCOREHALL.vst3を~/Library/Audio/Plug-Ins/VST3/へ、ENCOREHALL.componentを~/Library/Audio/Plug-Ins/Components/へコピーします(~はホームフォルダです。Finder の「移動」メニューから「フォルダへ移動」を選び、パスを貼り付けると開けます。フォルダが存在しない場合は新規作成してください)。Pro 版のファイル名はENCOREHALL Pro.vst3とENCOREHALL Pro.componentです。- ターミナル(アプリケーション → ユーティリティ → ターミナル)を開き、次の 3 行を 1 行ずつ貼り付けて Return キーを押します。
無料版:
cd ~/Library/Audio/Plug-Ins xattr -dr com.apple.quarantine VST3/"ENCOREHALL.vst3" xattr -dr com.apple.quarantine Components/"ENCOREHALL.component"Pro 版:
cd ~/Library/Audio/Plug-Ins xattr -dr com.apple.quarantine VST3/"ENCOREHALL Pro.vst3" xattr -dr com.apple.quarantine Components/"ENCOREHALL Pro.component" - DAW や OBS を起動し、プラグインの再スキャンを実行します(起動したままコピーすると反映されないことがあります。Logic Pro などで AU が一覧に出てこないときは Mac を再起動してください)。
Mac でのセキュリティ警告について:
本プラグインは公証を受けていないため、上記のコマンドを実行しないと macOS が「壊れているため開けません」「開発元を検証できません」と表示し、DAW がプラグインを読み込みません。このコマンドはダウンロードしたファイルに macOS が付ける印を外すものです。アップデートでプラグインを入れ直したときも再実行が必要です。何も表示されなければ成功です。
アンインストール
【Windows】コピーした ENCOREHALL.vst3(Pro 版は ENCOREHALL Pro.vst3)フォルダを削除してください。
【Mac】コピーした ENCOREHALL.vst3 と ENCOREHALL.component(Pro 版は ENCOREHALL Pro.vst3 と ENCOREHALL Pro.component)を削除してください。
Pro 版で自分で保存した設定(ユーザープリセット)も削除する場合は、%APPDATA%\Tonecraft Tokyo\ENCOREHALL Pro\(Mac は ~/Library/Tonecraft Tokyo/ENCOREHALL Pro/)フォルダもあわせて削除してください。
4. OBS で使う
OBS は VST3 を直接読めないため、無料の OBS 用プラグイン「atkAudio Plugin」を入れて、その中で ENCOREHALL を動かします。OBS Studio 31.1.1 以降 (64bit) が必要です。
- atkAudio Plugin の配布ページから、お使いの OS 用のインストーラーを入れます。
- OBS を起動し、マイクの音声ソースの「フィルタ」を開きます。
- 「+」から「atkAudio Plugin Host」を追加します。
- 「Open Plugin Settings」を押し、「Options」から「Scan for new or updated VST3 plugins」を選んでプラグインを探させます(初回だけ)。
- 一覧から ENCOREHALL(または ENCOREHALL Pro)を選んで「Load Plugin」で読み込み、画面を開いてノブを回します。
マイクのフィルタの順番について:
OBS 標準のノイズ抑制や音量調整などを使う場合は、その後ろに ENCOREHALL を配置します(きれいに整えた声に響きを足すため)。
※DAW(Ableton Live など)では通常のエフェクトとしてボーカルトラックに挿して使用します。
5. 画面の見かた
ヘッダー帯(上端)
- ロゴ & バージョン: ウィンドウ左上にロゴとバージョン表記を表示します。
- プリセット欄: ヘッダー中央に配置されています。クリックするとプリセット一覧(無料版は14種類、Pro 版は20種類)が開き、手軽に設定を切り替えられます。左右の矢印で前後のプリセットに移動できます。Pro 版では、好みに合わせて調整した設定に名前を付けて保存したり、ファイルへ書き出し・読み込みを行ったりできます。
- TALK ボタン(話すと控えめ): ヘッダー右上に配置されている手動ボタンです。クリックして点灯(ON)させると、響きとエコーに新しい声が送られなくなります。すでに鳴っている響きとエコーは自然に消えていくため、歌い終わりの余韻を途切れさせずに雑談へ移ることができます。雑談中にオンにし、次の曲を歌い始める前にオフに戻します。
案内欄
- ヘッダーの直下に配置されています。ボタンやノブにマウスカーソルを合わせると、その操作の意味や使い方のヒントを日本語で案内します。
SCENE(場面)
歌う空間を6つのボタンから選びます(無料版で選べるのは STUDIO・KARAOKE・LIVE・HALL の4つ)。選んだボタンが点灯します。
- STUDIO(スタジオ): 音の反射がすっきりと整理された部屋の響き。明るく歯切れ良く歌いたいときに最適です。
- KARAOKE(カラオケ): 親しみやすいカラオケルームの響き。エコーと相性が良く、歌いやすさを高めます。
- LIVE(ライブハウス): 熱気あふれるライブハウスの響き。元気な曲やロックを歌うときに合います。
- HALL(ホール): 上品で広々としたコンサートホールの響き。迷ったときの標準設定です。
- CATHEDRAL(大聖堂・Pro 版のみ): 天井が高く荘厳な大聖堂の響き。しっとりしたバラードや賛美歌に合います。
- DREAM(夢の中・Pro 版のみ): ふわりと漂う幻想的な響き。どこまでも続くような空間を作ります。
- 場面の説明: 画面左下の表示エリアに、現在選んでいる場面の特徴を日本語で表示します。
STAGE(響き)
- 響きの表示: 画面中央の上部に配置されています。直近の声と響きの様子が右から左へ流れます。原音の大きさが灰色の面、響きとエコーの返りの大きさが水色の線で描かれます。
- 「声を優先中」ランプ(Pro 版のみ): 響きの表示の中(右下)にあります。CLEAR が効いて歌声に合わせて響きとエコーが控えめになっている間、ランプが点灯します。
- SPACE(響きの量): 響きをどれだけ足すかを調整します。0 にすると響きがなくなり原音のみになります。伴奏の響きが多い曲では控えめに設定するとすっきりします。
- SIZE(広さ): 選んだ場面の中での部屋の広さを調整します。上げるほど部屋が広くなり、歌い終わりの余韻が長く伸びます。
- TONE(明るさ): 響きの明るさを調整します。低くすると柔らかく落ち着いた響きに、高くすると明るいきらびやかな響きになります。声がこもって聞こえるときや、サ行が気になるときに動かします。
- ECHO(エコー): カラオケのように歌声を少し遅れて繰り返します。上げるほど大きく、長く繰り返します。繰り返しの間隔は選んでいる場面と SIZE に応じて自動的に整えられます。0 にするとエコーはかかりません。
- CLEAR(声を優先・Pro 版のみ): 歌っている間は響きとエコーの返りを自然に下げ、息継ぎや歌い終わりでふわりと広げます。響きやエコーを多めにしても歌詞がぼやけず、はっきりと前に出ます。0 にすると声による調整を行わず、常に一定の響きが返ります。
OUT(声の大きさ)メーター
- 画面右端の縦長メーターです。歌っているときに表示が中央の目標帯に入っていれば、配信で聞きやすい適切な大きさです。
- どこまでノブを回しても音が割れないよう、出口で自動的に安全に抑えています。
6. 使い方
- まず SCENE から歌いたい曲に合う場面を選びます(迷ったら HALL)。
- 曲の雰囲気に近いプリセットを選ぶか、標準の状態で歌ってみます。
- 歌いながら SPACE を回し、心地よい響きの量に合わせます。
- 余韻を長く雄大にしたいときは SIZE を上げ、タイトにしたいときは下げます。
- 声の抜けや明るさを整えたいときは TONE を動かします。
- カラオケのような繰り返し感を足したいときは ECHO を上げます。
- 響きを増やしたことで歌詞が聞き取りにくく感じたら、CLEAR を上げます(Pro 版のみ)。歌っている間だけ響きが引き、言葉がくっきりと届きます。
- 曲が終わって雑談に移るときは TALK を押して点灯させます。次の曲を歌う前に忘れずに TALK を消してください。
- 気に入った設定ができたら、ヘッダーのプリセット欄から名前を付けて保存しておくと便利です(Pro 版のみ)。
※標準状態は HALL、SPACE: 40、SIZE: 50、TONE: 50、ECHO: 30、CLEAR: 40(Pro 版のみ)、TALK: OFF です。
7. プリセット一覧
歌枠ですぐに使えるプリセットが、無料版には14種類、Pro 版には20種類収録されています。「Pro 版のみ」と書いたものは無料版の一覧に出ません。
| 名前 | 場面 | 特徴・狙い |
|---|---|---|
DEFAULT |
HALL | 標準のバランス設定 |
NATURAL |
STUDIO | 響きを足したと気づかせない自然な薄さ |
BALLAD |
HALL | しっとりとした長めの余韻 |
UPTEMPO |
STUDIO | 速い曲でも響きが濁らない |
KARAOKE |
KARAOKE | カラオケらしい親しみのあるエコー |
KARAOKE BOX |
KARAOKE | 狭い部屋で強めのエコー |
LIVE HOUSE |
LIVE | ライブハウスの厚みのある響き |
ROCK |
LIVE | 明るく短めの響きにエコーで勢いをプラス |
ACOUSTIC |
STUDIO | 弾き語り向け。歌声とギターに自然な艶 |
ANISONG |
HALL | 明るく抜ける華やかな響き |
CITY POP |
STUDIO | きらびやかなスタジオの響き |
CHAT & SING |
STUDIO | 雑談の多い枠向け。話し声の邪魔にならない控えめな量 |
CONCERT |
HALL | 大きなコンサートホールの壮大な響き |
STREAM SONG |
HALL | 歌枠の標準よりエコーを少し多めに足した響き |
CATHEDRAL |
CATHEDRAL | 大聖堂の厳かな響き(Pro 版のみ) |
HYMN |
CATHEDRAL | 賛美歌向け。長く落ち着いた響き(Pro 版のみ) |
DREAM |
DREAM | 夢の中にいるような幻想的な響き(Pro 版のみ) |
ENDLESS |
DREAM | どこまでも終わらない広大な余韻(Pro 版のみ) |
CLEAR BALLAD |
HALL | 響きをたっぷりと足しても歌詞が埋もれない設定(Pro 版のみ) |
CLEAR LIVE |
LIVE | 演奏を盛り上げても歌声がしっかりと前に出る設定(Pro 版のみ) |
8. 使い方のヒント
- テンポの速い曲: STUDIO や LIVE を選び、SIZE や SPACE を少し控えめにすると、リズムを邪魔せずすっきりと歌えます。
- バラードや落ち着いた曲: HALL や CATHEDRAL(Pro 版のみ)を選び、SIZE を大きめに設定すると豊かな余韻に包まれます。
- 歌詞をくっきり届けたいとき(Pro 版のみ): CLEAR を 50〜70 程度に上げると、ロングトーンや語尾の余韻を豊かに響かせながら、歌詞の立ち上がりをクリアに保てます。
- ノブの値をリセットしたいとき: 各ノブをダブルクリックまたは右クリックすると、標準の値に戻ります。
9. 注意事項
無料版
- 本製品はサポートなし・現状渡しの無料配布(フリーウェア)です。
- ソースコードは非公開です。
- 本製品の著作権は Tonecraft Tokyo に帰属します。
- 本製品の改変・リバースエンジニアリング・再配布・転売を禁止します(配布は Tonecraft Tokyo 公式サイトと BOOTH からお願いします)。
- 商用・非商用を問わず無料でご利用いただけます。
Pro 版
- 本製品はサポートなし・現状渡しです。
- 返金対応はいたしません。
- ソースコードは非公開です。
- 本製品の著作権は Tonecraft Tokyo に帰属します。
- 本製品の再配布・転売・改変・リバースエンジニアリングを禁止します。
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10. 免責事項
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